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◆非圧縮ハイビジョン信号を6チャンネルまとめて安定に中継!
〜高速誤り訂正符号化方式を導入した120GHz帯無線伝送に成功〜
(平成20年11月25日)
 

○ NHKは日本電信電話株式会社(NTT)と共同で、データ伝送速度10Gbps級の誤り訂正符号化技術と120GHz帯ミリ波無線伝送技術を組み合わせた伝送実験を行い、非圧縮のハイビジョン信号(HD-SDI信号)※16チャンネルをまとめて無線伝送することに成功しました。100GHzを超える周波数は、無線伝送用途にはこれまでほとんど利用されていませんでしたが、広い周波数帯域幅※2が取れるため、超高速無線伝送への利用が期待されています。

○ 今回NHKは、120GHz帯における高信頼無線伝送用として、高速で動作する誤り訂正符号化方式を開発しました。NTTが開発している120GHz帯無線装置と組み合わせることにより、多チャンネルのハイビジョン映像を、遅延なく、安定に伝送することが可能になりました※3

○ 本誤り訂正符号化方式ではリードソロモン符号※4を採用し、二重に誤り訂正を行う構成とすることで、訂正能力の向上を図りました。また、映像1ライン分のデータごとに誤り訂正符号が完結するような信号形式とすることで並列処理を容易にし、データ伝送速度10Gbpsを超える高速な信号処理が実現できました。

○ この誤り訂正符号化方式を用いることで無線伝送距離を従来の2倍程度に伸ばすことが可能となり、今回、約3kmの距離での伝送実験に初めて成功しました。

○ NHKは今後も、多彩で魅力的な番組作りの実現に向けて、大容量・超高速伝送の技術開発を進めていきます。

○ 開発した装置は、11月26日から28日までパシフィコ横浜で開催されるマイクロウェーブ展2008(MWE 2008)で展示します。

*1) HD-SDI信号(ハイビジョン−シリアルデジタルインターフェース信号)、伝送ビットレートは約1.5Gbps。
*2) 今回の伝送実験では、帯域幅として17GHzを使用しました。
*3) この研究の一部は、総務省の電波資源拡大のための研究開発「ミリ波帯高精細映像伝送技術の研究開発」による受託研究として実施しました。
*4) 高速な符号化・復号処理が可能で、高性能な誤り訂正符号。地上デジタル放送、衛星通信をはじめ、CDやDVDなどで用いられています。



図1 システム構成

図2 10Gbps級誤り訂正符号化装置


図3 120GHz帯の無線伝送実験 (受信点:NHK放送技術研究所)
NHK放送技術研究所(東京都世田谷区)と
NTT東日本研修センタ(東京都調布市)間の約3kmを伝送


スポーツ中継などで、複数のカメラの映像をまとめて送ることができます
図4 応用イメージ


 
 
 
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