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◆「フレキシブルディスプレイ用スピーカー」を開発
〜曲げても音が出る、薄型で柔軟なスピーカー〜
(平成19年5月16日)


○ NHKは、フォスター電機(株)と共同で、フレキシブルディスプレイ用のスピーカーを開発しました。ディスプレイ面から音を出し、丸めることのできるスピーカーの開発により、手軽に持ち運べる「未来のテレビ」が一歩、実現に近づきました。

○ フレキシブルディスプレイには、映像表示部と同様にスピーカーにも薄さ、軽さ、柔軟性が要求されます。今回、ポリフッ化ビニリデンを用いたものと、動電形アクチュエーター1)を用いたものの2種類のスピーカーを試作しました。

○ ポリフッ化ビニリデンフィルムは透明な高分子フィルムで、電圧を加えると厚みが変化する特性を持つように加工しています。これまでもスピーカーへの応用例がありますが、低音の再生音量が不足するため、高音専用として使用されてきました。今回、ディスプレイの全面に貼り付けて振動させることにより再生音量を拡大した上で、再生周波数の中低域を補整する信号処理回路を付加し音質を改善しました。貼り付けには透明度を損なわない電極材料と接着方法を用い、透明スピーカーを作ることに成功しました。

○ 動電形アクチュエーターはスピーカーのコーンなどを振動させる装置として通常使用されています。新たに小型のアクチュエーターを開発し、ディスプレイの厚みを増やさないように側面に取り付けました。両側面に取り付けたアクチュエーターを連動させて画面に平行な方向に振動を加えることにより、ディスプレイから効率良く音を再生することに成功しました。

○ 今後、素材や構造などの基礎的な検討を進め、音の再生帯域の拡大を図るとともに、映像表示部との一体化を進めます。

○ 平成19年5月24日から27日に開催する放送技術研究所の一般公開で、フレキシブルディスプレイ用スピーカーを展示いたします。

1) 動電形アクチュエーター:電気エネルギーを、コイルと磁石で振動する力に変える部品。



 
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