◆ワンセグ連結ギャップフィラー装置の開発 〜地下街などでも効率的なワンセグ再送信が可能に〜 (平成18年11月24日) ○ NHKは、ひとつのチャンネルで複数の放送局のワンセグサービスを束ねて再送信できる「ワンセグ連結ギャップフィラー装置」を開発いたしました。 ○ 地上デジタル放送では放送局毎に割り当てられた1チャンネル6MHzの周波数帯域の中でデジタル信号を送っていますが、実際にはその周波数帯域をさらに13個に分割して信号を伝送しています。その中のひとつ(1セグメント)を使った携帯・移動体向けサービスが「ワンセグ」です。 ○ ワンセグは主として屋外での受信を想定していますが、地下街やビル陰など 地上デジタル放送の電波が届かない場所では受信が困難となり、これらの場所への再送信設備(ギャップフィラー)の設置が課題となっています。 ○ 従来のギャップフィラー装置は、地上デジタル放送の信号(13セグメント)をそのまま再送信するため、ワンセグのみの送信が目的の場合でも、ワンセグ以外の 信号の送信電力を消費していました。また、既存電波と再送信電波の両方の 電波が届く場所では干渉妨害が起こる可能性があります。 ○ 開発した装置では、各放送局のデジタル放送信号から、ワンセグ用の信号のみを取り出したうえで、最大13のワンセグ信号をまとめ、受信波とは異なった1つのチャンネルで再送信します*1。ワンセグ用信号のみ再送信することで、送信電力を抑えることができるほか、既存電波と別のチャンネルを用いることで干渉妨害を避けることも可能です。 ○ 最大13のワンセグを送信できるため、再送信する放送局のワンセグ以外に、地下街などでその区域用の独自サービスを提供することができます。 ○ 開発したワンセグ連結ギャップフィラー装置を使って、今後、地下街などで検証実験を行う予定です。なお、本装置を用いたシステムを、総務省による地上テレビ放送のデジタル移行後の周波数有効利用に関する公募*2に提案しています。
(別紙)
図 1 ワンセグ連結ギャップフィラー装置による受信エリア補完のイメージ 図 2 ワンセグ連結ギャップフィラーの周波数構成例