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◆地上デジタル放送信号解析用の携帯型測定器を開発
〜 デジタル送信設備の整備や保守における効率的な測定が可能に 〜
(平成17年2月17日)

○ NHKはアンリツ(株)、(株)NHKアイテックと共同で、フィールドでの使用に最適な携帯型の地上デジタル放送用信号解析測定器を開発しました。

○ この測定器は、信号レベル、遅延プロファイル特性*1、MER*2の測定、コンスタレーションモニタ*3、スペクトルマスク*4適合判定など、地上デジタル放送波の信号特性の把握に必要な各種測定が可能です。

○ 従来、これら項目の測定には大型の測定器が必要でしたが、本装置は小型・軽量でバッテリー動作が可能であり、屋内・屋外を問わず容易に測定現場に携行して詳細な調査をすることができます。測定条件の設定や操作がワンタッチで出来るため、だれでも簡単に各種測定が可能です。

○ 本装置の開発により、従来、受信状況調査が困難であった場所でも迅速かつ効率的に地上デジタル放送波の特性を把握することができます。

○ NHKは今回開発した携帯型地上デジタル放送信号測定器をデジタル放送 送信機、アンテナなどの整備や保守・管理に活用していくとともに、今後もデジタル放送インフラの効率的な構築・維持に向けて、保守・測定用機器の研究・開発に取り組んでいきます。

※1 遅延プロファイル特性:
  建物や山などの反射・屈折により遅延して到達する電波(マルチパス)の、時間軸上の電力分布の広がり形状を示す。
※2 MER:Modulation Error Ratioの略:
  変調誤差比のこと。デジタル変調された信号の品質を定義する指標。エラー(誤り)発生に至らない信号の定量的評価ができることが特長。
※3 コンスタレーションモニタ:
  変調シンボルの遷移を表すグラフ表示。受信した信号にどのような障害が発生しているかの原因探求に活用する。
※4 スペクトルマスク:
  送信出力スペクトルの許容範囲のこと。無線設備規則によって、周波数占有帯幅と同様に他チャンネルへの妨害を抑えることが規定されている。

[諸 元]
項目
 
仕様
地上デジタル放送
信号解析測定機能  
主な
 測定項目
・ 信号レベル測定
・ 遅延プロファイル測定
・ MER測定
・ コンスタレーションモニタ
・ スペクトルマスク測定 ほか
周波数範囲 35MHz〜800MHz
(UHF TVチャンネル、IF、任意設定)
操作性 測定条件の設定などが
 ワンタッチで可能
スペクトラム
アナライザ機能 
周波数範囲 100kHz〜7.1GHz
表示平均
 雑音レベル
≦-153dBm (1GHz以下の代表値)
一般性能   形状 313(W)×211(H)×77(D)
重量 3kg以下
電源 内蔵バッテリーまたは
 DC12V(ACアダプタ)



[装置の概観]

 
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