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技術情報

 
◆NHKとNTT Comがハガキ大のハイビジョンコーデックを共同開発
(平成14年10月15日)


○ NHKとNTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、ハイビジョン信号をデジタル圧縮・伸張するためのハガキ大ハイビジョンコーデック(符号化・復号化器)を共同開発し、大幅な小型化と低価格化を実現しました。両者は、平成12年8月に共同開発実行委員会を発足させ、ユーザーとして互いに協力して開発を進めてきました。

○ 開発したコーデックは、デジタルハイビジョン信号の無線伝送や光ファイバー伝送設備に組み込まれるもので、デジタル映像・音声信号を圧縮し、効率よく伝送するために用いるものです。
符号・復号化部を高集積LSI化(*1)することでハイビジョンコーデックをハガキ大の基板1枚に小型化するとともに、大幅な省電力化を実現しました。
これにより、圧縮器を内蔵した可搬型無線伝送装置が実現し、機動性を大幅に改善します。

○ 圧縮方式は、国際規格であるMPEG2方式(*2)を採用するため、ビデオカメラや大容量映像ファイル、デジタル映画館などへの応用も期待されます。

○ NHKでは、番組制作設備のハイビジョン化を強力に推進しています。この開発で、ハイビジョン無線伝送装置の全国配備が可能となり、今後はニュースやスポーツ番組など生番組についても全面的なハイビジョン化が進み、番組のさらなる充実をはかることができます。

○ NTT Comでは、この開発成果を開発中のデジタルテレビジョン中継サービスに反映し、デジタル放送時代における放送中継サービスの高度化・経済化をはかるとともに、今後のデジタル放送技術の推進に貢献していきます。

(*1)LSI : 大規模集積回路
(*2)MPEG2方式 : 効率よくデジタル映像信号を伝送するために考えられたもので、Motion Picture Expert Groupが定めた国際規格の動画像圧縮方式


開発したハガキ大ハイビジョンコーデック

特 長
○ 基板サイズ : 180mm×120mm
○ 重量 : 200g
○ 消費電力 : 約13W
○ 電源 : DC12V
○ 映像符号化 : MPEG2 422P@HLおよびMP@HL
○ 音声符号化 : MPEG2 AACおよびBC 5.1ch符号化に対応
  非圧縮音声伝送も可能
○ 映像入出力 : HD-SDI信号、1080I映像
○ 音声入出力 : AES-3信号×4系統、およびHD-SDI重畳音声8ch
○ HD-SDIに重畳される機器監視・補助信号伝送機能
○ 符号化入出力 : DVB-ASI信号
○ TSレート : 最大160Mbit/s


ハガキ大コーデックを内蔵する無線伝送装置












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