NHK WORLD

NHKワールドTV(3)

日本と世界のいまを伝える「NEWSLINE」の現場
取材・制作・放送の流れ

「NEWSLINE」はNHKワールドTVにおける基幹ニュース番組である。現在は1日24時間、毎正時に全世界へニュースを発信している。国内で放送したニュースや企画のリメイクに加えて、国際放送独自の取材リポートも拡充している。

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国際放送局独自の取材・制作体制を拡充中

24時間眠らず海外に発信

正時から平日は28分間、週末は10分間、日本と世界の出来事を伝える英語ニュース番組「NEWSLINE」。全世界およそ2億8000万世帯が視聴できるように、朝昼晩の3交替体制で制作にあたる。記者、ディレクター、映像編集、デスクなどの日本人スタッフに、ネイティブのキャスターやリライターなどが加わる国際色豊かな面々だ。

国内放送と異なる視点で独自取材

放送するニュースは、日本各地の放送局や海外総支局が取材して国内で放送したニュース原稿のリメイクが中心だが、国際放送局で独自に取材・制作するリポートの割合も年々増えている。

たとえば、韓国で2014年4月に発生した旅客船セウォル号の沈没事故の際は、韓国の制作会社と連携して、事故の第一報を現地からいち早く放送。さらに、現場近くに設けられた事故対策本部から次々と発表される最新の被害状況を、現地のリポーターが生中継で放送。アジアで起きた大事故に世界が注目する先駆役となった。

このほかにも、インドの総選挙や香港の民主化デモ、広島の土砂災害や御嶽山の噴火などの際も、国際放送局独自の取材班を展開。国内向け放送とは異なる視点から、時々刻々と入ってくる最新情報を特集や中継で伝えてきた。

現場1: 取材
現場1: 取材 放送するニュースは、日本各地の放送局や海外総支局が取材して国内で放送したニュース原稿のリメイクが中心だが、国際放送局で独自に取材・制作するリポートの割合も年々増えている。

放送するニュースは、日本各地の放送局や海外総支局が取材して国内で放送したニュース原稿のリメイクが中心だが、国際放送局で独自に取材・制作するリポートの割合も年々増えている。

現場2 : 制作
現場2 : 制作 放朝昼晩の3交替体制で制作にあたるのは、記者、ディレクター、映像編集、デスクなどの日本人スタッフに、ネイティブのキャスターやリライターなどが加わった国際色豊かなメンバーだ。

朝昼晩の3交替体制で制作にあたるのは、記者、ディレクター、映像編集、デスクなどの日本人スタッフに、ネイティブのキャスターやリライターなどが加わった国際色豊かなメンバーだ。

現場3 : 放送
現場3 : 放送 毎正時から平日は28分間、週末は10分間、日本と世界の出来事を海外に伝える英語ニュース番組「NEWSLINE」。全世界およそ2億8000万世帯が視聴できるように、制作現場での奮闘は今も続いている。

毎正時から平日は28分間、週末は10分間、日本と世界の出来事を海外に伝える英語ニュース番組「NEWSLINE」。全世界およそ2億8000万世帯が視聴できるように、制作現場での奮闘は今も続いている。

無限の可能性秘めるNHKワールド
クレイグ・デール

カナダの公共放送CBCから5年前、放送内容へのアドバイザーとして「NEWSLINE」に派遣されたクレイグ・デール。派遣期間が満了した去年、彼はCBCを辞めフリーの身となりNHKに残ることを決めた。

「CBCに戻れば、シニアプロデューサーの役職は保障されていた。けれど、変化の激しいアジアを舞台に、放送全般へのアドバイスから取材リポートの制作まで担当させてもらえるNHKワールドの方が、多彩な仕事ができそうで魅力を感じた」

そう語るクレイグだが、来日当初は率直な物言いで周囲の誤解を招くこともあった。協調性を重んじる日本流の良さは認めつつも、「NEWSLINE」をもっと魅力的な番組に変えるには意識改革が必要だという。

「視聴者が興味を持ってくれるように伝える工夫が足りないと感じることがある。国内向けニュースと、海外で見てもらえるニュースは当然違う。日本を客観的に見る視点を持ち、何がなぜニュースなのかをもっと意識することが必要。NHKワールドは無限の可能性があり、やるべきこと、やれることがまだまだ残っている」。

海外からも信頼されるメディアをめざして

広島・長崎をどう伝えるか

韓国のセウォル号沈没事故のリポート

韓国のセウォル号沈没事故のリポート

被爆者の小倉桂子さんと山本美希キャスター(広島特番より)

被爆者の小倉桂子さんと山本美希キャスター(広島特番より)

福島第一原発

福島第一原発

原爆被害の恐怖と悲劇を後世に伝え、核兵器のない世界を祈願する広島・長崎の平和式典。毎夏、国際放送でも、その様子を海外に伝えてきたが、2014年は取材体制を大幅に増強。さらに独自の中継機材を広島に持ち込んだ。

爆心地近くの小学校や燈籠流しの会場などから、終日、リポートを中継。高齢化する被爆者の思いや訪れた外国人の声など、戦後69年の被爆地の表情を世界に伝えた。

より早く、正確に+より多角的に

放送にあたり特に意識したのが、 大戦中の日本を“加害者”として見る諸外国の目線だ。そのため、原爆の被害者としての側面ばかりを強調するのでなく、「なぜ日本に原爆が落とされるに至ったのか」「その後、広島・長崎は国際社会にどんな貢献をしてきたか」など、被爆体験の意味を海外からの視点で掘り下げることにも努めた。

戦後70年の節目となる2015年は、唯一の被爆国からの核廃絶や平和のメッセージをより深く、多角的に世界に伝えていく必要がある。

日本の魅力だけでなく課題も紹介

歴史文化や伝統芸能、観光名所、日本食やアニメ、最先端技術など、多彩な日本の魅力を世界に紹介している国際放送。それとともに、日本が抱える課題や問題点なども包み隠さず取材して伝えていくことは、NHKワールドが海外からも信頼されるメディアとなるためには欠かせない。

その好例が、2011年3月11日に発生した東日本大震災直後のニュース。時々刻々と明らかになる地震や津波の被害状況や救助活動、その後の復旧状況などを伝える国際放送のニュースは、世界中から大きな注目を集めた。

中でも、福島の原発事故とその後の放射能汚染への対策は特に関心が高く、海外メディアの取材陣も数多く現地入りした。風評被害を防ぎ、必要な支援を呼びかけるためにも、被害状況やその対策の実態を正しく伝えることが大切だと考え、国際放送局では独自取材班を編成して、福島のその後を定期的にリポートし続けている。

国際放送局独自取材の試み
国際放送局独自取材の試み

福島第一原発の事故について、2011年6月から国際放送で始まった「Nuclear Watch」。当時、報道局科学文化部長だった本保晃の提案がきっかけだった。

「海外からの支援や協力が必要なのに、現地情報が正しく伝わっていない。日本から英語で正確な情報をより積極的に発信しなければ」

こうして震災3か月後から始まった企画は、当初、科学文化部の記者による日本語でのスタジオ解説に英語の同時通訳をつけるスタイルだった。やがて事故への関心が高まるにつれて、海外の視聴者の要望は「スタジオの解説よりも現場を見たい」へと変化。そこで2年目からは、国際放送局独自の取材班を現場に派遣して伝えるリポート形式に変更した。

廃炉計画について東京電力の担当者が英語で質問に答えたリポートは、欧米メディアも紹介するなど反響をよび、その後も、汚染水問題や原発作業員の就労環境、原発施設内部の取材も実施。30分の特集枠で、CGを駆使して原発内部の現状を詳しく伝えるなど、原子力発電の課題をテーマに海外発信を続けている。