NHK WORLD

黎明期

国際放送主な出来事 黎明期

国際放送開始1935年~1940年代

国際放送主な出来事 国際放送開始1935年~1940年代

1950~70年代

国際放送主な出来事 1950~70年代

1980~90年代

国際放送主な出来事 1980~90年代

2000~2015年

国際放送主な出来事 2000~2015年代

2012~2014(平成24年~平成26年)

インターネットで
本格発信

年代史  >  2012~2014 >  インターネットで本格発信  | 機動的な取材でアジアや世界の関心に応える

主な出来事

’12
  • 5.22 東京スカイツリー開業
  • 7.27-8.12 ロンドン五輪を8Kでパブリックビューイング
  • 8.10 韓国大統領が竹島上陸強行
  • 9.11 尖閣諸島国有化
  • 10.8 ノーベル生理学・医学賞にiPS細胞の山中伸弥教授
’13
  • 4月 歌舞伎座が新開場
  • 6.22 富士山世界文化遺産に登録
  • 8.21 イチロー選手が日米通算4000本安打
  • 9.7 2020年夏季五輪・パラリンピックの開催都市に東京決定
  • 11.23 中国が尖閣諸島を含む防空識別圏を設定
’14
  • イスラム過激派組織・IS勢力拡大
  • 2月- ウクライナ危機深刻化
  • 4.1 消費税率5%から8%に
  • 4.16 韓国セウォル号沈没事故
  • 5.16 インド10年ぶり政権交代モディ首相誕生
  • 5.22 タイ軍事クーデター ラジオ日本24時間臨時送信
  • 8.8 WHO、エボラ出血熱で緊急事態宣言
  • 10.7 ノーベル物理学賞に青色LEDを開発した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏
  • 10.10 ノーベル平和賞にパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)ら

もっと見る

スマートフォンなどで視聴機会が拡大

世界では、放送と通信の融合が飛躍的に進む中で、NHKワールドもインターネットサービスに一段と力を入れ始める。スマートフォンの普及がその動きに拍車をかけた。ライブストリーミングを受信できる専用のアプリを開発、NHKワールドTVとラジオ日本は世界中いつでもどこでも視聴できるようになった。

「いつでもどこでも」視聴可能に

フランス・パリで開かれたジャパンエキスポ(2013年7月)

フランス・パリで開かれたジャパンエキスポ(2013年7月)

2014年度に放送が始まった新番組「KABUKI KOOL」

2014年度に放送が始まった新番組「KABUKI KOOL」

日米首脳会談後、共同記者会見に臨むオバマ米大統領(左)と安倍晋三首相(2014.4.24)

日米首脳会談後、共同記者会見に臨むオバマ米大統領(左)と安倍晋三首相(2014年4月24日)

NHKワールドTVの視聴可能世帯は、2012年3月末現在で2億4000万世帯に上った。世界各地の受信環境の整備とともに、大きな役割を果たしているのが、ネット環境があれば世界中いつでもどこでも見られるインターネットのライブストリーミングである。公式ウェブサイト、NHKワールド・オンラインのアクセス数は、2012年3月までの1年間で1億4000万ページビュー。スマートフォン・タブレット端末向けの無料の専用アプリは、iPhone向けに続き、Android端末向けも開発。ダウンロード数は、2013年度末現在で、ワールドTVアプリが累計228万件、ラジオ日本アプリが、前年度の4倍の累計20万6000件に上った。

また、NHKワールド・オンラインのコンテンツも充実させ、2013年1月には、英語ニュースの記事の掲載期間を24時間から72時間に延長した。「NEWSLINE」の主なリポートや特集などは、1か月間動画で見られるようにした。ラジオ日本のニューステキストについては、2014年には、ベンガル語、ペルシャ語、ウルドゥー語でも掲載が始まり、17言語のうち、14言語で利用可能になった。

SNSも活用

視聴者との結びつきを強め、深める取り組みとして、SNS(ソーシャルメディア)の活用も始まった。2012年からは、フェイスブックNHKワールド公式アカウントをスタート。番組広報の新たなツールとして力を発揮している。

プロモーションで視聴者拡大

NHKワールドTVを世界のどこに行っても見られるようにするため、世界中の衛星放送局やケーブルテレビ局などに働きかけるのが当初の課題だった。次に世界の視聴者を増やすため乗り出したのがプロモーションで、最初の大仕掛けが2013年7月のパリ・Japan Expoだった。NHKワールドTVの4番組と関連団体、各部署が連動しての取り組みだ。翌年、参加イベントの数と規模が一気に拡大。2014年4月~12月だけでも、ワシントンDC、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、パリ、ロンドン、ジャカルタ、シンガポール、ヤンゴンと続いた。特筆すべきなのが、「どーもくん」をNHKワールドのキャラクターとして公式に位置づけたこと。世界中どこに行っても、どーもくんの人気は大きな武器になった。

国内CATVなどへの提供

NHKワールドTVを「日本国内のテレビでも見たい」。こうした声に応えるため、2011年、総務大臣の「特認業務」としてケーブルテレビやIPTV向けのサービスを提供した。その後「任意業務」となり、2014年末には約470万世帯が視聴可能となった。

機動的な取材でアジアや
世界の関心に応える

世界中で見てもらうために進化を続ける

海外の視聴者の関心と共感を
基本編成を1日4時間×6回から6時間×4回へ

2014年4月16日 韓国フェリー・セウォル号沈没事故

2014年4月16日 韓国フェリー・セウォル号沈没事故

2014年5月22日 タイで軍事政権によるクーデター。一時的にTV視聴できず

2014年5月22日 タイで軍事政権によるクーデター。一時的にTV視聴できず

2014年9月29日 香港の民主化デモ。雨傘革命

2014年9月29日 香港の民主化デモ。雨傘革命

NHKワールドTVは、ジャンルを大きく広げ、海外の視聴者の関心と共感を得られるコンテンツを充実させるためスポーツや美術、デザイン・建築、先端技術など独自番組を拡大してきた。2014年には、2009年以来の1日の基本編成を4時間×6回編成から、6時間×4回編成に改定し、番組数も43に増やした。「NEWSLINE」は、2013年4月から平日は深夜、早朝も毎正時から30分放送し、どの時間帯でも最新のニュースを伝える体制を整えた。

機動的・強化される取材制作態勢

「NEWSLINE」立ちあげからの5年間、国際放送局では取材、制作態勢を強化してきた。日本国内での独自の機動的な報道のために、IP中継・伝送機材やCSを使った可搬型中継機材をいち早く導入、緊急報道から選挙報道まで活用している。

また、アジア報道ではバンコクと北京、ソウルに独自の拠点を設け、定期的にニュースやリポートを伝えるとともに、大きな動きがあった時には、ただちに国際放送チームが中継を実施できるようにしている。

福島第一原発の「Nuclear Watch」

東日本大震災の報道でNHKワールドはこれまで以上に世界の注目を集めた。中でも特に関心の高い福島第一原発については、2011年6月に放送開始した 「Nuclear Watch」では、国際放送局独自の取材班を現場に派遣して現状や課題を継続的に詳しくリポートしている。

さらに、報道局の「海外発信プロジェクト」も発足し、2014年には報道局や各地の放送局が取材したリポートをおよそ200本放送。また、英語でリポートができる人材を育成するための研修を毎年行い、海外発信強化に努めている。

タイ在住邦人向けにラジオ日本を臨時送信

2014年5月22日、タイで軍事クーデターが発生。軍事政権は直ちにメディア統制に乗り出し、全テレビ局に通常番組を中断して軍事政権の発表だけを放送するよう命じた。その結果、タイでは在外邦人向けの日本語による「NHKワールド・プレミアム」が視聴できなくなった。タイ在住の日本人は5万人以上。そこで私たちは、翌23日、タイ在住の邦人向けに、短波によるラジオ日本(日本語放送)の臨時送信を開始した。具体的には、1日12時間の放送枠を24時間に拡大し、ラジオ第1放送の再送信のほか、独自の日本語ニュースや外務省の「海外安全情報」などを加え、タイ関連の情報を強化した。ラジオ日本の臨時送信はイラク戦争以来11年ぶりだった。(6月18日に終了)

聴取者の方々からは、「テレビが見られなくなったところ、ラジオの臨時送信が始まり、ひと安心です」、「インターネット時代だがラジオの魅力を再認識した」など、評価する声が寄せられた。

短波放送は世界的に利用者が減り、退潮傾向にあるのは否めない。しかし、日本から発信する短波放送は、現地のメディアが遮断されても確実に情報を届けることができる。海外で暮らす在留邦人は約125万人。その方々の安心・安全を守るため、短波放送の重要性に改めて気付かされる出来事だった。

(橋本明徳 元・国際放送局長)