NHK WORLD

黎明期

国際放送主な出来事 黎明期

国際放送開始1935年~1940年代

国際放送主な出来事 国際放送開始1935年~1940年代

1950~70年代

国際放送主な出来事 1950~70年代

1980~90年代

国際放送主な出来事 1980~90年代

2000~2015年

国際放送主な出来事 2000~2015年代

1998~1999(平成10年~平成11年)

英語チャンネル「NHKワールドTV」(放送)
日本語チャンネル「NHKワールド・プレミアム」(配信)

年代史  >  1998~1999 >  「NHKワールドTV」(放送)「NHKワールド・プレミアム」(配信)  | 1999年10月、24時間放送達成

拡大する放送区域、放送時間

「NHKワールドTV」は、1998(平成10)年4月から、デジタル波によってアジア・太平洋地域にも日本語と英語で
1日18時間の放送を開始した。1999年4月からは、1日の放送時間を19時間に拡大した。

ほぼ全世界向けの放送に

当時の国際放送局のニュース制作現場

当時の国際放送局のニュース制作現場

海外PRのポスター「海外のどこかでNHKの番組に出会ってもびっくりしないでくださいね」

海外PRのポスター「海外のどこかでNHKの番組に出会ってもびっくりしないでくださいね」

1998(平成10)年4月から、「NHKワールドTV」はパンアムサット社(現インテルサット社)の衛星を使ったデジタル波によってアジア太平洋地域に向けても放送を開始した。デジタル波を使うことによって、アナログでは実現できない高品質な映像と音声を海外の視聴者に届けることができた。

またこれを機にスクランブルをかけてケーブルテレビ局やホテルなどに有料で提供する番組配信を「NHKワールド・プレミアム」と称した。ドラマやエンターテインメント番組が中心で、提供時間は18時間のサービスであった。

10月1日には中南米、南西および中央アジア、中東、アフリカ(南部を除く)地域向けにも放送を開始した。これにより、海外のどこにいても「NHKワールドTV」を通して日本の情報をほぼリアルタイムで知ることができるようになった。内容はニュースや情報番組が中心で、言語は日本語と英語の2か国語であった。無料で視聴できたが、受信するには直径2メートル級の大きなアンテナが必要で、一般家庭では設置が難しくどう普及させるかが大きな課題であった。

「NHKワールドTV」「NHKワールド・プレミアム」ともに、日本語と英語の混在は続き、これを解消するには2008年10月まで待たなければならなかった。

1日の放送時間を19時間に拡大

1999年4月、「NHKワールドTV」の一日の放送時間は、日本時間の午前6時から深夜1時までの19時間となった。「おはよう日本」「週刊ニュース」を新設することで、ライフライン機能を充実させるとともに、海外の日本人に役立つ生活や健康番組など、世界各地の視聴好適時間に合わせた番組編成をおこなった。

NHKワールド・プレミアム(有料契約)

1998年に開始した、有料の番組配信サービス「NHKワールド・プレミアム」は、ニュース・情報番組に加え、ドラマ、娯楽、文化、子ども向け番組など、NHKのさまざまなジャンルの番組を、世界各地の衛星放送局やケーブル局などを通じて海外に配信。北米ではJNG(ジャパン・ネットワーク・グループ)、欧州ではJSTV(ジャパン・サテライト・テレビジョン)のサービスを通じて、現地の視聴好適時間帯に合わせて編成を組み直して放送している。ニュース・報道番組中心のNHKワールドとは違う性格を持つ。

※2008年2月以降、1日5時間程度、ニュース・情報系番組を中心にノン・スクランブルに

1999年10月、24時間放送達成「NHKワールドTV」(無料)と「NHKワールド・プレミアム」(有料)

“世界のどこでも・いつでも”見られるように

「NHKワールドTV」は、1999年4月から、1日の放送時間を19時間に拡大していた。そして1999年10月、有料の番組配信サービス「NHKワールド・プレミアム」とともに24時間放送を開始した。

独自制作番組

NHKワールドTV、NHKワールド プレミアムの放送で使用しているパンアムサット社の3基の衛星(放送エリア図は、2012年8月現在の使用図)

NHKワールドTV、NHKワールド プレミアムの放送で使用しているパンアムサット社の3基の衛星(放送エリア図は、2012年8月現在の使用図)

「クローズアップ現代」1999年10月以来、英語化、現在まで続く(映像は1999年1月10日)

「クローズアップ現代」1999年10月以来、英語化、現在まで続く(映像は1999年1月10日)

課題はコンテンツをいかに集めるかであった。国内波の番組を英語で吹き替えてばかりでは限界がある。“国際放送局独自のニュース番組をたちあげたい”という提案に、他部局からは“本当にできるのか”と言われていた。

独自制作のニュース「DAYLINE JAPAN」と「JAPAN THIS DAY」は1997年にスタートした。前者は平日の午後2時(日本時間)から、後者は午後9時からそれぞれ15分間、日本とアジアの最新ニュースや一日のまとめを放送した。それまでラジオニュースの制作しか経験していない国際放送局にとって、テレビニュース制作は未知のものであり、戸惑いや慣れない苦労もあった。制作担当者は報道局に足繁く通ってニュース映像のコピーをさせてもらい、字幕スーパーも自分たちで作画した。放送直前まで映像制作や作画が追い込むのは日常茶飯事であった。しかし“新たな時代を築くのだ”という意気込みにあふれていた。

翌1998年4月にはやはり独自のウイークリーニュース番組「JAPAN THIS WEEK」が始まった。日本やアジアのさまざまなニュースを一週間単位でせきとめ、世界に発信する番組で、海外総支局からの英語によるリポートなども伝えた。

24時間放送を実現

1999年10月、「NHKワールドTV」は24時間放送を実現した。24時間化にあたっては収録・送出装置(サーバー)の整備・拡充という、現在につながるハード面の進歩が大きな役割を果たした。前日の9月30日に、茨城県東海村で臨界事故が起きていたが、この事故のニュースは開始当日の10月1日まで継続して放送された。日本で起きた事故をリアルタイムで世界に伝えたことは、「NHKワールドTV」が世界に向けて強力な情報伝達手段であることを示したといえるだろう。

情報番組の充実にむけて

24時間放送を機に、総合テレビの「クローズアップ現代」に国際放送局で独自に英語音声を付加し、2か国語放送を実施した。「クローズアップ現代」の英語化は現在も続いている。また2か国語によるニュース番組などは、世界各国の生活時間に合わせてリピート放送し、英語による日本からの情報発信を一層強化した。当時放送していた番組は、国際放送局独自制作の3番組「DAYLINE JAPAN」「JAPAN THIS DAY」「JAPAN THIS WEEK」のほか、「NHKニュースおはよう日本」「NHKニュース7」「NHKニュース9」「日曜討論」「クローズアップ現代」など、国内向けのニュース報道番組が中心であった。

NHKの24時間/英語チャンネルの2009年放送開始まで

国際放送に「ラジオからテレビ」への発展という転機がきたのは1990年前後だ。1994年12月から、放送法の一部改正案が施行。NHKの本来業務として国際放送が実施できる業務を規定した。

NHKは1996年、ラジオ、テレビ、ネットなどの多様な海外業務を総称して「NHKワールド」と呼ぶことにした。「NHKワールドTV」は、1999年10月からは、24時間放送を開始。さらに、2007年12月、放送法が改正。邦人向け(日本語チャンネル)と外国人向け(英語チャンネル)に分離し、対象を明確にすることになった。国際放送の制作現場では、NHKワールドTVをすべて、英語に切り替える大作業が発生した。

2005年に英語化率は、55.2%と全番組の半数をわずかに上回る程度だった。2009(平成21)年2月には英語化率100%を成しとげ、新しいニュース専用スタジオから、外国人向けテレビ国際放送「NHKワールドTV」(英語チャンネル)で24時間毎正時、英語ニュースの放送が開始された。