暮らしの安全Q&A
犯罪から身を守る
①警察や大使館をかたる詐欺に遭わないようにする
暮らしのQ&Aです。日本に住んでいる外国人が増えています。そのため、外国人が犯罪 (※) の被害者 (※) になる事件が増えています。外国人が日本で安全に暮らすために、犯罪から身を守るための情報を伝えます。1回目は、「母国の警察や大使館の人だとうそを言って、お金をだましとる犯罪」についてです。
2023年7月、20代の中国人留学生に中国語で電話がありました。「わたしは携帯電話会社の社員です。あなたの携帯電話番号が詐欺 (※) に利用されています。」と言って、中国の警察に連絡するよう求められました。警察に連絡すると、警察官だという男が「あなたは詐欺事件の容疑者です。保釈金(※)を払ってください」と言いました。留学生は「保釈金」として2400万円をその男から教えられた銀行口座に振り込みました。そして、あとからだまされたことに気がつきました。
日本の警察によると、最近、母国の警察や大使館の人だと言って、「あなたの銀行口座やパスポートが犯罪グループに使われています」や、「在留資格の更新に問題があります」などのうそを言って、お金をだましとる事件が増えています。被害に遭わないためには、電話を一度切って、家族や友達、日本の警察に相談してください。知らない電話番号からの電話には出ないようにしましょう。
2024年4月1日時点の情報です。
語彙の補足説明:
犯罪: crime
被害者: victim
詐欺:fraud
保釈金: bail
②投資の詐欺
暮らしのQ&Aです。日本に住んでいる外国人が増えています。そのため、外国人が犯罪 (※) の被害者 (※) になる事件が増えています。外国人が日本で安全に暮らすために、犯罪から身を守るための情報を伝えます。今回は「投資 (※) の詐欺 (※) 」についてです。
警察には、「投資をしたらお金が入ると言われたので、たくさんのお金を払ったのに、そのお金が返ってこない」という外国人からの相談がたくさん来ています。ある女性は、2023年6月、Social Networking Service (SNS) (※) で仲良くなった同じ国の出身の男から「お金を増やすことができる」と投資サイト (※) を紹介されました。その女性は男から教えられた口座に数万円を振り込みました。すると、数千円が女性の口座に振り込まれました。それで、女性は男の話を信じて、そのあとに何回もお金を振り込みました。でもそのあとは一度も女性の口座にお金が振り込まれませんでした。そこで、女性が振り込んだお金を返してほしいと男に頼んだら、追加でお金を振り込まないと女性が払ったお金を返すことができないと言われました。女性がさらに数百万円を振り込んだあと、その男とは連絡ができなくなって、お金をだましとられたことが分かったということです。
警察によると、2023年はこのような外国人からの投資をめぐる詐欺の被害の相談が、東京都内で100以上ありました。相談した人の国籍は中国が最も多くて、ベトナムやフィリピンなどの国籍の人もいます。
被害に遭わないために、SNSでは、相手が犯罪者かもしれないことをいつも意識して、簡単に信用しないようにしましょう。投資をするように勧められたら、家族や友達、日本の警察に相談してください。
2024年4月2日時点の情報です。
語彙の補足説明:
犯罪: crime
被害者: victim
投資、投資サイト: investment, investment site
詐欺: fraud
SNS: social media
③飛行機のチケットの詐欺
暮らしのQ&Aです。日本に住んでいる外国人が増えています。そのため、外国人が犯罪 (※) の被害者 (※) になる事件が増えています。外国人が日本で安全に暮らすために、犯罪から身を守るための情報を伝えます。今回は「飛行機のチケットの詐欺 (※) 」についてです。
飛行機のチケットを買ったのにチケットがもらえないという外国人からの相談が、最近警察にたくさん来ています。2023年、ある男性は、いつもは約20万円かかる飛行機のチケットが9万円で売っているのをSocial Networking Service (SNS) (※) で見つけました。チケットを売っている会社の銀行口座に代金の9万円を振り込んだら、電子チケットが届きました。でも、出発の日、空港で、その電子チケットを使って飛行機に乗ろうとしましたが、電子チケットが使えないことが分かり、だまされたことに気づきました。
警察への相談では、電子チケットが無効 (※) だったり、予約がキャンセルされていたりして、お金をとり戻せない人がほとんどです。
被害は数十万円から、中には100万円以上になることもありました。
被害に遭わないために、SNSで飛行機のチケットを買うときは、相手が信頼できる旅行代理店かどうかなど、よく確認してから買うようにしましょう。心配なことがあったら、友達や家族、警察に相談してください。
2024年4月3日時点の情報です。
語彙の補足説明:
犯罪: crime
被害者: victim
詐欺: fraud
SNS: social media
無効: invalid
④両替・海外送金
暮らしのQ&Aです。日本に住んでいる外国人が増えています。そのため、外国人が犯罪 (※) の被害者(※)になる事件が増えています。外国人が日本で安全に暮らすために、犯罪から身を守るための情報を伝えます。今回は「両替をしたり、海外にお金を送ったりするときの詐欺 (※)」についてです。
日本のお金と外国のお金(外貨)とを両替したり、外国にお金を送るときの手数料(※) について、だまされる外国人が増えています。
2023年、ある外国人が警察に相談に来ました。その人はSocial Networking Service (SNS) (※) で知り合った人から、「両替するとき、手数料を払わない方法がある」と言われて、約10万円の外貨を相手の口座に振り込みました。しかし、両替はできなくて、その10万円の外貨をとられてしまいました。そのあとにその人とは連絡も取れなくなってしまいました。
両替をしたいお金を振り込ませる以外にも、お金を持って行く場所やお金を渡す相手の情報を伝えられて、渡したお金をそのままとられた人もいます。警察によると、2023年に東京都でこうした被害の相談が50以上ありました。被害は数十万円をとられた人や、1000万円以上をとられた人など、いろいろです。
両替をするときや海外にお金を送るときは、必ず相手が本物の業者かどうかを確かめてください。少しでもあやしいと思ったら現金は振り込まないで、友達や警察などに相談してください。
2024年4月4日時点の情報です。
語彙の補足説明:
犯罪: crime
被害者: victim
詐欺:fraud
手数料: commission
SNS: social media
⑤クレジットカードや携帯電話の申し込み
暮らしのQ&Aです。日本に住んでいる外国人が増えています。そのため、外国人が犯罪 (※) の被害者(※)になる事件が増えています。外国人が日本で安全に暮らすために、犯罪から身を守るための情報を伝えます。今回は「クレジットカード (※) などの申し込みをするときの詐欺 (※)」についてです。
外国人が日本でクレジットカードや携帯電話サービスに申し込みたいとき、日本語が必要です。そのため、日本語ができない人は、「代わりに申し込んでくれる会社」を利用することがあります。最近、こうした「日本語ができない人の代わりに申し込んでくれる会社」にだまされる人が増えています。ある外国人は、インターネット (※) で見つけたクレジットカードの申し込み代行会社 (※) のサイトに、個人情報 (※) を入力して申し込みました。そのあと、使ったことがないクレジットカードの請求書がたくさん届きました。原因を調べた結果、その外国人のクレジットカードが何枚も作られて、他の人が勝手に利用していたことがわかりました。
また、別の外国人は、Social Networking Service (SNS) (※) で携帯電話サービスに申し込む手伝いをしてくれる会社に在留カード (※) を預けました。その結果、自分が申し込んだ携帯電話とは別に、複数の携帯電話が勝手に申し込まれてしまいました。
こうした被害に遭わないためにも、よく知らない相手に個人情報を教えたり在留カードを預けたりしないように気をつけてください。
2024年4月5日時点の情報です。
語彙の補足説明:
犯罪: crime
被害者: victim
クレジットカード: credit card
詐欺:fraud
インターネット: internet
代行会社: agent
個人情報: personal data
SNS: social media
在留カード: residence card