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草なぎ剛さんが語る「あの時」と「再出発」

半年前に独立した元SMAPの草なぎ剛さんが、独立後初めてとなる舞台に挑んでいます。今回、NHKのカメラは稽古初日からその姿を追うとともに、独占インタビューで、気になる“あの時”のこと、そして今の心境まで率直にお聞きしました。草なぎ剛さん、43歳。等身大の言葉です。

独立後 初の舞台に挑む

ことし4月、横浜市の劇場で開幕した「バリーターク」という舞台、草なぎ剛さんが主役を演じています。

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登場するのは閉ざされた部屋の中だけで生きる2人の男。単調な日常を送る中、ある日、外の世界には「自由」があることを知ります。退屈だけれど平穏な今の居場所に残り続けるか、それともリスクを承知で自由を求め未知なる世界に飛び出すか―。草なぎさんが葛藤する男の役に挑みます。

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自分の気持ちに重なる舞台

ー今回の舞台、どんな思いで臨んでいますか?

(物語の主人公が)外の世界を見たい、出ていきたいっていうのは、それこそ新しい別の窓を開けている自分の気持ちに重なったりもします。僕自身、新しいステージに立って新しいスタートを切ったので、ここはやっぱり勝負をしたいし。なんか思いっきり悩んで、それを楽しむくらいじゃないと、この舞台も僕の人生も輝かないと思うし、観客の方々の心を打ちたいので、だから人生かけて演じたいと思います。

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SMAP解散と葛藤

膨大なセリフと難解な物語で、“生きる”ことを問いかける今回の舞台。セリフ合わせ初日の稽古場には、その内容に不安な表情を見せる草なぎさんがいました。

稽古終了後、草なぎさんは「これ難しいなと。明日から俺どうするのかな、みたいな…」と戸惑いを語っていました。

今回演じるのは「自由」を求めて葛藤する男。その草なぎさん自身もSMAP解散以降、葛藤を抱えてきたといいます。

言っても40ですから

ーSMAP解散後、そしてジャニーズ事務所から独立した当時の心境は。

10代から、12、3歳から仕事して、本当に不自由のないところで育ててもらって。本当に大きな決断だったんですけど、新しい道を進むというのは。すごい話しあったし、みんなで。もちろん不安なことってあるんですけど、でも言ってももう40(歳)ですから。もう立派なおじさんなので(笑)。なんか、本当に悩んだこともあったんですけど『もういいよ、おじさんでしょ?』みたいな感じで。時間って限られてるじゃないですか、大げさな話。若い時ってずっと永遠に続くんじゃないかって思っちゃってたんですよ、物事って。でも何かだんだんそうじゃないなと。『もう時間ないよ』って、『もう次の新しい人生踏み出さないとどんどん終わっちゃうよ』って思って。だから新しい“別の窓”を開けたのかな。年とか、どこか自分の本能というか、何かがあったのかもしれない。

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新たな活動の場はどこに? 続く模索

その独立から半年。放送されていたテレビ番組が終了するなど、テレビでその姿を見る機会は以前より減っていました。

この間、草なぎさんは、新しい活動の場を求め模索してきました。その1つがインターネットです。ともに独立した稲垣吾郎さんと香取慎吾さんと3人で始めたインターネットでの生放送番組を始め、自身もSNSなどの発信に取り組んでいます。

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より身近に感じてほしいとツイッターでみずから活動を投稿したり、YouTubeで愛犬を抱く姿やギターをかき鳴らす姿を発信したりするなど、SMAP時代にはなかった手法を取り入れ新しい挑戦を続けています。

5人のときは…

ーこの半年を振り返ると、これまでとどのような違いがあったのでしょう。

まだ始まって半年くらいなんだなと。内容が濃いのでもっと長くやっている気もするんですけど。インターネットって、やっぱりスピードが速いんでしょうね、リアクションも早いし。一方で、常に不安ですよ。どうなるのかなとか。(放送していた)番組も終わっちゃったりもするし、あっけらかんとしれっとしているんですけど、結構やっぱり寂しいところもあるし。でもリアルだし事実だし『やっぱりそうなんだ』って目が覚める感じがして、同時に、だから自分の思うようにやった方がいいんだなと。以前はグループで、3人より、5人のほうがカバーし合える面も多いから、それこそ本当に”ぬくい”っていうか、ガードし合えるじゃないですか。今は、ものすごく必死。必死にやらないと、お客さんはついてきてくれないし、もう必死です。

“等身大”のいま、思うこと

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舞台「バリーターク」の本番まで、1か月に迫った3月中旬。稽古場では、物語の鍵となるシーンの稽古が行われていました。草なぎさん演じる男が、毎日、同じ部屋で繰り返される日常に疑問を抱き始め、その思いをぶつけるシーンです。

「セリフ)こんなところにいたら、どんどん自分がなくなっていく気がするよ」
「セリフ)あそこに何があるのか知っているのに、どうしてここにいられる。そんなのどこにも自由がない。ただことばで隙間を埋めているだけだ。本当の人生じゃないよ。ねえ、なのにどうして―」


日を追うごとに熱を帯びていく草なぎさんの演技、取材をしていて、その表情、言葉の強さに圧倒される思いでした。

自分の人生とは何か―。

草なぎさんもまた、悩みもがきながら新たな一歩を踏み出していました。いま、等身大のメッセージを私たちに伝えています。

生きているから感じること

ー舞台を通して“自由”とは。

みんなそうだと思うんですけど、自由って何かっていうと、わからないわけじゃないですか。毎日同じ生活して、同じローテーションで仕事いって、帰ってきてご飯食べて寝てって。よく考えてみると『毎日同じ事しかしてないじゃない、僕、私』って。こんな人生ってどうなの、って思うとそこから抜けだしたくなる気持ちって誰しもある。でも新しく始めることとか、違う世界に飛び込むことって、とても勇気がいるし。人って先が見えないことって不安じゃないですか。それはいくつになっても変わらない。でも、それって逆を言えば幸せっていうか。緊張したり『どうしよう』っていう不安って、生きているから感じられる。(今は)いい意味で貪欲だし、もっともっとやりたいと思うし。そういう自分が、やっぱりすごく好きだし。

案外 自分ってできるよ

ー外の世界に飛び出したくても飛び出せない人、少なくないと思います。

飛び出せない人とか、もちろん気持ち分かるし。でも、案外、自分ってできるよって。自分でラインを引かないで、失敗を恐れないで、新しいことするのであれば、失敗しようよ、っていう気持ちでやればいい。痛い目にあったり、失敗したりしたほうが、成功したときにうれしいし。失敗したときに本当に落ち込んで立ち上がれなかったりするのがいけないことで、それが本当の失敗なので。とりあえずやってみようって。そうしているうちに、自分のものになっていくんじゃないかっていうのを、信じるのか信じないのか、人生ってそうだと思うの。毎日ハッピーで、毎日おいしいもの食べてて、そんな人生って逆につまんないと思う。『怖いな』とか、『不安だな』とか、それがあるからいいんですよ。生きるって大変なことなんだけど、ちょっとしたことでもいいから楽しんじゃえばいい。朝起きたときに『天気がいいな』とかでもいいし。ちょっとしたことで幸せになれると思うんだよね。僕なんかそう思っちゃうんだけど。なんか、そんな今日この頃です(笑)。

※草なぎの「なぎ」は「弓へん」に「剪」。