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“リビ充家族” 増えてます

あなたは自宅では主にどこで過ごしていますか?リビング?それとも個室?今、“リビ充”と呼ばれる“リビングを充実した生活空間にする”暮らし方が、子育て世帯を中心に広がり始めているんです。(首都圏放送センター記者 中川早織)

何もかもリビングで

さいたま市の“リビ充家族”本間さん一家です。週末訪ねるとリビングでは夫の秀雄さんが読書、妻のゆりさんは仕事、小学6年生になる長男はカード遊びをしていました。時々会話を交わしながらそれぞれが自分のしたいことを“リビング”でするのが本間さん流の暮らし方です。

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“リビ充”のためマンションを3LDKから2LDKにリフォームしました。リビングに隣接していた個室とキッチンの壁を取り外しおよそ19畳の広いリビングを作ったんです。

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大きなダイニングテーブルは食事だけでなく、勉強や仕事、読書にも使うほか、時には卓球台にして遊ぶこともあり、家族3人が寝るまでのほとんどの時間をリビングで過ごすそうです。

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秀雄さんは「自然の流れで家族がゆるくつながっている感じでリビングが1番落ち着く場所です」と話し、ゆりさんは「それぞれ聞き耳を立てつつ自分のことに集中しているので同じ空間にいてもすごくプライベートが尊重されているんです」と“リビ充”の良さを語ってくれました。

時代とともに変化したリビング

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リビングというとかつてはテレビを見たり食事をしたりするなど家族団らんの場でした。
一方、子どもにとっては自分だけの時間を過ごす「子ども部屋」を持つことが憧れでもあったのです。私も小学校に入学した際に学習机を置いた自分の部屋を与えてもらってうれしかったことを今でも覚えています。

まさに、漫画の「サザエさん」や「ドラえもん」「ちびまる子ちゃん」で描かれているように、子どもたちは学校から帰ったあと子ども部屋で宿題などをして過ごし夕飯の時間になるとリビングや茶の間に家族で集まった時代です。

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それが、今やリビングは勉強も遊びも何でもできる“多機能空間”へと生まれ変わっているんです。

子どもの過ごし方にも変化

時代とともに子どもの自宅での過ごし方も変化しました。リクルート住まいカンパニーの調査では、自宅にいる時間のうちリビングで過ごす割合は小学生で76%、中学生でも57%にのぼっています。

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さらに、“リビングで勉強する”と答えたのは、小学生で69%、中学生で54%で、高校生でも44%、短大や大学生でも36%に上っているんです。

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本間さんの長男も学校から帰宅後、リビングのソファーでおやつを食べながらテレビを見ていました。

その後、リビングでピアノの練習をして、ダイニングテーブルに移ると勉強を始めました。学習道具はすべてリビングに置いているそうです。

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実は、子ども部屋にできる部屋も用意していて、ゆりさんは長男が高学年になったとき、自分の部屋がほしいか聞きましたが、長男は「今の過ごし方がいい」と答えたそうです。

長男は「リビングで過ごしていれば勉強で分からない問題があってもすぐ親に聞ける。リビングの方が楽でいい」と話していました。

一方、親にとっても“リビ充”の暮らしは安心につながるようです。ゆりさんは、家事をしながら長男に学校での出来事を聞くなど、自然に親子の会話が生まれていました。

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ゆりさんは「“リビ充”は子どもに関わっていることが感じられて成長を見守れる。もし子どもが個室にこもって過ごしていたらここまで子どものことが分からなかったと思います」と話していました。リビングは家族をつなぐ大切な場所になっているのです。

住宅業界も“リビ充”アピール

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一方、“リビ充家族”のニーズに応えた新築住宅も次々に誕生しています。 このうち、ことし1月から20棟の販売を開始したばかりのさいたま市の戸建て住宅のモデルハウスを訪ねました。

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リビングにはあえて段差をつけたカウンター付きのスペースがありました。家族とつながりながらも仕事や勉強、それに趣味など“自分のこと”をできる空間にしようと考えたそうです。

このスペースは従来は和室にしていましたが、その仕切りを取ることでリビング全体を広くしました。別のモデルハウスでは、リビングの広さを確保するため、キッチンとの間に段差をつけソファーの代わりに背もたれとして使えるつくりになっていました。

担当者は、「リビングが充実した間取りを求める人が増えているので、それぞれの家族の居場所をリビングの中で作る工夫がどんどん必要になっているんです」と話していました。

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このほかにも、各住宅メーカーではリビングと外のベランダを一体的な空間としてデザインした“アウトドアリビング”や、子どもの遊び場を作った広いリビングなど、さまざまな提案を始めていて、”リビ充”は住まいのトレンドとして広がりを見せています。

リビングの役割変化の背景は

なぜ時代とともにリビングの役割が変わってきたのでしょうか。住宅情報サイト「SUUMO」の池本洋一編集長は“リビ充”の広がりは親子関係の変化の表れだと指摘しています。

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池本編集長は「今の親子は、濃すぎる関係を望んでいないし薄すぎる関係も望んでいない。それぞれ違うことをやっていても同じ空間の中で過ごすということにほどよい家族の幸せを感じているのではないでしょうか」と話していました。

これからの住まい選びは

住宅を選ぶ時、3LDKにしようか2LDKにしようか家族構成で部屋の数を考えていたこれまでの時代。“リビ充”の広がりで、これからはリビングのゆとりや広さで選ぶ時代に変わっていくかもしれませんね。

私にも小学生の子どもが2人います。去年の春、2番目の子どもが小学校に入学するタイミングで子ども部屋を作り学習机を2台購入しました。

しかし1年たったいま、子ども部屋を利用することはほとんどありません。
子どもたちは「リビングがいい」と帰宅後もずっとリビングで過ごしています。勉強も遊びも団らんも…快適なリビングにするためにわが家も“リビ充”に取り組みたいと思います。

中川早織
首都圏放送センター記者
中川 早織