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予算の全体像(歳入と歳出)

衆議院と参議院の本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で成立した2023年度・令和5年度の予算。一般会計の総額が過去最大の114兆3812億円となりました。この財源を賄うために新たに発行する国債は35兆円を超えていて、財源の3割以上を国債に頼る厳しい財政状況が続いています。


「財政の硬直化」続く

“3つの経費”69%
  • 社会保障:36兆8889億
  • 地方交付税交付金等:16兆3992億
  • 公共事業:6兆0600億
  • 文教及び科学振興:5兆4158億
  • 防衛費関連費:6兆7880億
  • 防衛力強化資金繰入れ:3兆3806億
  • 予備費(ウクライナ情勢経済緊急対応)
    :1兆0000億
  • 予備費(新型コロナ及び原油価格・物価高騰対策)
    :4兆0000億
  • その他:9兆1985億
  • 国債費:25兆2503億

※数値は四捨五入しているため端数の合計が合致しない場合も

▽「防衛費」は、6兆7880億円となっています。政府が5年以内に防衛力の抜本的強化を目指す中、2022年度の当初予算より1兆4192億円増えて過去最大となりました。さらに、「防衛力強化資金」という新たな枠組みを設け、外国為替資金特別会計の繰入金などで3兆3806億円を計上していて、これを合わせると防衛関係の予算は、10兆円を超える規模となります。

▽また、全体の3分の1を占める「社会保障費」は、高齢化の進展などに伴って2022年度の当初予算より6154億円多い、過去最大の36兆8889億円となりました。

▽過去に発行した国債の償還や利払いにあてる「国債費」は9111億円増えて25兆2503億円。国債の発行残高の増加に伴ってこちらも過去最大となりました。

▽地方自治体に配分する「地方交付税交付金」は5166億円増えて16兆3992億円。

▽「文化、教育、科学技術関連予算」は257億円増えて5兆4158億円となりました。

▽「公共事業費」は、2022年度とほぼ同じ6兆600億円となりました。

▽このほか、物価高騰対策やウクライナ情勢など国際情勢の急変に対応するため、国会の承認を得ずに機動的に使いみちを決められる「予備費」として、5兆円が盛り込まれています。

この結果、「社会保障費」と「地方交付税交付金」、それに「国債費」の3つの経費で歳出全体の68%を占めることになり、ほかの政策に自由に使える余地が小さい「財政の硬直化」と呼ばれる状況が続いています。

税収 企業の業績回復で法人税収の増加見込む

税収
  • 所得税:21兆0480億
  • 法人税:14兆6020億
  • 消費税:23兆3840億
  • その他:10兆4060億
  • その他収入:9兆3182億
  • 建設公債:6兆5580億
  • 特例公債:29兆0650億

※数値は四捨五入しているため端数の合計が合致しない場合も

一方、歳入のうち、税収は、69兆4400億円と2022年度の当初予算よりも4兆2050億円上回ると見込んでいます。

新型コロナで落ち込んだ企業の業績が回復傾向にあり、法人税の税収の増加を見込んでいることなどが要因です。