日本との関わりが深く日本の歴代総理大臣と会談
ベトナムのファム・ミン・チン首相はベトナム北中部のタインホア省出身の64歳。公安出身で公安省の副大臣や、隣国の中国と国境を接する省のトップも務めたほか、共産党の中央組織委員長として党の人事や組織改革を担当してきました。
2021年4月に首相に選出されてからは、新型コロナウイルスの対応と経済回復の両立を目指して取り組んできました。また、2021年11月には、イギリスで開かれた気候変動対策の国連の会議「COP26」で2050年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指すと表明し、気候変動問題にも取り組む姿勢を示しています。
チン首相は日本との関わりが深く、ベトナムと日本の友好議員連盟の会長を務め、歴代の日本の総理大臣とも会談を重ねてきました。ベトナムでは、党書記長、国家主席、首相、国会議長の「4柱」とも呼ばれる要職の4人が日本やアメリカとも良好な関係を築く一方で、南シナ海で領有権を争う中国や、伝統的に友好関係にあるロシアとも関係を維持するなど、全方位外交を展開しています。
こうした中、日本はベトナムを『自由で開かれたインド太平洋』を実現する上で要となる重要なパートナーと位置づけています。おととし(2021年)、岸田総理大臣は就任後国内で初めての外国の首脳との会談をチン首相と行ったほか、去年(2022年)5月にはハノイを訪問してチン首相と会談するなど、ベトナムとの関わりを強めています。チン首相がサミットで日本を訪れるのは今回が初めてです。