ブラジル ルーラ・ダシルバ大統領(Lula Da Silva)

G7 広島サミットに参加するブラジルのルーラ大統領の詳しい情報です。年齢は、2023年5月19日時点のものです。

ユン大統領
役職 大統領
生年月日 1945年10月27日
年齢 77歳
出身

ブラジル北東部ペルナンブコ州

略歴
  • 1980年 左派政党「労働者党」を結成
  • 2003年~2010年 大統領(2期)
  • 2023年 大統領に就任

貧困層が支持する大統領

ブラジルのルーラ・ダシルバ大統領は77歳。ブラジル北東部ペルナンブコ州の貧しい農村に生まれました。旋盤工として労働運動に参加し、ストライキを指導するなど労働組合のリーダーとして頭角を現しました。1980年に左派の有力政党「労働者党」を立ち上げ、下院議員などを経て2003年に大統領に就任しました。

【2000年代の政権では・・・】

2期8年にわたる在任中は、BRICSと呼ばれる新興5か国の枠組みを重視し中国やロシアとの関係強化を図ったほか、G7にロシアを加えたG8の首脳会合にもたびたび出席し、中南米などの途上国への経済や環境、貧困問題への支援を訴えてきました。一方、内政面では豊富な天然資源の価格上昇を背景に、平均で年4%の高い経済成長を実現。増えた税収を貧しい人たちへの生活支援に充て、当時、人口の半数以上を占めていたとされる低所得者の割合を3割台に引き下げました。貧困層を中心に人気が高く、大統領退任時の支持率は8割を超えていたとされています。

一方で、在任中に建設会社から賄賂を受け取ったとされる汚職事件で有罪判決を受けて2018年4月から1年7か月にわたって収監され、2018年の大統領選挙では裁判所から立候補の資格を停止されました。

収監前、集まった支持者に手を振るルーラ氏 (2018年4月)

しかしその後、最高裁判所がルーラ氏に対する有罪判決を無効とする判断を示したことで、2022年10月の大統領選挙に立候補し、右派のボルソナロ前大統領を1.8ポイントのわずかな差で上回り、当選を果たしました。

【ことし1月に再度、大統領就任】

ことし1月の大統領就任後は、2月にアメリカ、4月には中国を訪問するなど外交活動を活発化させています。特に重視しているのが2009年から最大の貿易相手国となっている中国との関係で、貿易や投資など経済面での関係の強化をはかっています。

またルーラ大統領は、中国などと並びロシアによるウクライナへの軍事侵攻の停戦に向けた仲介にも意欲を示しています。一方、ことし1月には去年の大統領選挙の結果を受け入れないボルソナロ前大統領の支持者が連邦議会や大統領府を襲撃する事件も起きました。ルーラ大統領が進める貧困層への手厚い政策に対して富裕層や保守派の間で増税や投資の減少などへの懸念も広がっていて、国民の融和をどう進めていくかが課題になっています。