オーストラリア アンソニー・アルバニージー首相(Anthony Albanese)

G7 広島サミットに参加するオーストラリアのアルバニージー首相の詳しい情報です。年齢は、2023年5月19日時点のものです。

ユン大統領
役職 首相
生年月日 1963年3月2日
年齢 60歳
出身

オーストラリアのシドニー

略歴
  • 1996年 下院議員に初当選
  • 2013年 ラッド政権で副首相に就任
  • 2019年 野党・労働党の党首に就任
  • 2022年 9年ぶりの政権交代で第31代首相に就任

「アルボ」の愛称で知られる首相

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相はオーストラリアの最大都市シドニー出身の60歳。母子家庭で育ち、公営住宅で幼少期を過ごして、アルバイトを重ねてシドニー大学を卒業しました。父親は、母親がクルーズ船での航海中に出会ったイタリア人で、アルバニージー首相が父親と初めて面会したのは40代になってからでした。自身の出身である労働者階級の人たちに寄り添う政策を訴え、1996年に下院議員に初当選。労働党が政権を握った2007年からはインフラ・交通相を務めたほか、2013年にはラッド政権でおよそ3か月間、副首相を務めました。労働党が野党となったあと、2019年から党首を務め、2022年5月の選挙で9年ぶりに政権交代を果たして首相に就任しました。

選挙の勝利を祝うアルバニージー首相(2022年5月)

【多様性の尊重 弱者に理解示す姿勢】

アルバニージー首相は国内では「アルボ」の愛称で知られ、就任以来、社会の多様性を尊重し、社会的に弱い立場にある人たちに理解を示す姿勢を強調しています。憲法に明記されていないアボリジニなど先住民の人たちの権利向上のため、ことし後半に憲法改正の是非を問う国民投票を行う予定です。またことし2月にはシドニーで行われた性的マイノリティーの人たちへの理解を求める大規模なパレード「マルディグラ」に現役の首相として初めて参加し、話題になりました。

【AUKUSやクアッドの連携重視】

AUKUSの首脳会合(2023年3月 米サンディエゴ)

外交では、海洋進出を強める中国を念頭に、アメリカやイギリスとの安全保障の枠組み「AUKUS」に基づいて原子力潜水艦の導入計画を進めているほか、日本、アメリカ、インドとの4か国の枠組み「クアッド」の連携を重視しています。G7広島サミットの直後にはオーストラリアで初めてとなる「クアッド」の首脳会合を主催し、3か国の首脳を迎える予定です。一方、貿易をめぐって前の政権下で冷え込んだ中国との関係の改善に向けて二国間の対話を積極的に進めていて、一部メディアはことし後半にもアルバニージー首相が中国を訪問する可能性を報じています。首相に就任してからの日本訪問は、去年5月の就任直後に行われた「クアッド」の首脳会合への参加と9月に行われた安倍元総理大臣の国葬への参列以来、3回目です。オーストラリアは、日本を地域で価値観を共有する重要なパートナー国だとして特に安全保障や経済の分野での連携を重視していて、去年10月に西部の都市パースで行われた岸田総理大臣との首脳会談では、緊急事態の際に相互に対応措置を検討することなどを明記した安全保障協力に関する新たな共同宣言に署名しています。