イギリス リシ・スナク首相(Rishi Sunak)

G7 広島サミットに参加するイギリスのスナク首相の詳しい情報です。年齢は、2023年5月19日時点のものです。

スナク首相
役職 首相
生年月日 1980年5月12日
年齢 43歳
出身

南部サウサンプトン

略歴
  • 2015年 下院議員に初当選
  • 2020年 ジョンソン政権で財務相に就任
  • 2022年 首相に就任

イギリス初のアジア系首相

イギリスのリシ・スナク首相は、アフリカから移住したインド系の両親のもと、イギリスで生まれました。父親は医師、母親は薬剤師で、子どものころは母親の薬局の会計を手伝っていたということです。イギリスのオックスフォード大学を卒業したあと、アメリカのスタンフォード大学でMBA=経営学修士を取得しました。その後、大手金融機関のゴールドマン・サックスやヘッジファンドでの勤務を経て、2015年から下院議員を務めています。

2020年に、39歳の若さでジョンソン政権の財務相に抜てきされ、新型コロナウイルスの感染拡大で経済が深刻な影響を受ける中、企業への雇用支援策として政府が賃金の支払いを肩代わりする制度などを主導し、高い評価を得ました。その後、不祥事が相次いだ当時のジョンソン首相に抗議する形で去年7月に財務相を辞任し、ジョンソン氏の辞意表明のきっかけとなりました。去年9月の保守党の党首選挙ではトラス前首相に敗れましたが、トラス氏がおよそ1か月半で退陣したことを受けて行われた10月の選挙で無投票で当選し、イギリスでは20世紀以降、最も若く、初めてのアジア系の首相となりました。

首相就任後は、▼記録的な水準が続くインフレ対策や▼財政の再建、それに▼密入国対策の強化などに力を入れています。また外交では、▼ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアを「最も重大な脅威」だとしているほか、▼中国を念頭に、インド太平洋地域を「外交政策の恒久的な柱」と位置づけ、同盟国などとの連携を通じて安全保障の取り組みをいっそう強化するとしています。

【日本との関係を重視する姿勢】

日本との間では、いずれも去年12月、▼イタリアを含めた3か国による次期戦闘機の共同開発と、▼サイバー攻撃への対策や半導体分野での連携強化に向けたデジタルパートナーシップを発表しました。そしてことし1月に行われた岸田総理大臣との首脳会談では自衛隊とイギリス軍が共同訓練を行う際などの対応を定める「日英円滑化協定」に署名し、「1902年の日英同盟以来、最も重要な安全保障上の協定だ」と評価するなど、日本との関係を重視する姿勢を打ち出しています。

経済の分野でも3月末、イギリスのTPP=環太平洋パートナーシップ協定への加入が認められたことを受け、「EU=ヨーロッパ連合からの離脱による自由がもたらした真の経済的利益を示している。グローバル経済の中で絶好の位置につけた」とその意義を強調しました。

【「富豪」ぶりに注目も】

私生活では2人の娘の父親で、コーラをこよなく愛することでも知られています。一方で、イギリスの公共放送BBCが「最も裕福な議員の1人」と伝えるなど、その「富豪」ぶりがたびたび注目されています。3月の首相官邸の発表によりますと、政治家としての給与のほか、アメリカでの投資による配当や株や土地の売却益などを合わせて過去3年間でおよそ480万ポンド、日本円でおよそ7億9000万円の収入を得ていました。また首相就任前には、インドのIT大手の共同創業者の娘で、数十億ポンドを相続するとも言われている妻が海外所得の納税を免除されていたことも明らかになり、批判を浴びました。

調査会社「ユーガブ」が4月に発表した世論調査では、与党・保守党の長期政権への不満もあり、スナク政権の支持率は17%、不支持率は63%と、去年10月の政権発足以来、支持率は低迷しています。スナク首相が日本を訪れるのは、今回が初めてです。