カナダ ジャスティン・トルドー首相(Justin Trudeau)

G7 広島サミットに参加するカナダのトルドー首相の詳しい情報です。年齢は、2023年5月19日時点のものです。

トルドー首相
役職 首相
生年月日 1971年12月25日
年齢 51歳
出身

カナダの首都オタワ

略歴
  • 2008年 下院議員に初当選
  • 2013年 自由党の党首に就任
  • 2015年 第23代首相に就任

カナダ史上2番目に若い首相

カナダのジャスティン・トルドー首相はカナダの首都オタワ出身の51歳。父親は、1970年代に移民国家カナダで「多文化主義」の基礎を築いたピエール・トルドー元首相です。3人兄弟の長男で、カナダの大学を卒業したあと、フランス語と数学の高校教師になりました。2000年、父親の死去に伴って政治活動を始め、2008年に中道左派の自由党から連邦議会の下院議員に立候補して初当選し、政治家としてのスタートを切りました。そして5年後の2013年に自由党の党首選挙に立候補して大差で対立候補を破り、下院議員への当選わずか2回で党首の座に就きました。2年後の2015年、総選挙でおよそ10年続いた保守党政権に圧勝し、カナダ史上、2番目の若さとなる43歳で首相に就任しました。ちなみに、カナダ史上最も若い首相は1979年に39歳で就任したクラーク元首相です。

【多様性を重視】

トルドー首相は「多文化主義」の基礎を築いた父親であるピエール・トルドー元首相の影響を強く受け、多様性を重視し、「すべての人が成功するための真の公平な機会をもつ国」を国のビジョンとして掲げているほか、みずからフェミニストであると宣言しています。初めての組閣にあたり、30人の閣僚ポストを男女半数ずつに分けた上、インド系のシーク教徒や先住民、身体障害者などを積極的に登用し、リベラル色を鮮明にしました。

【外交政策は】

トルドー首相は経済的に深いつながりを持つ中国に対し、近年、厳しい対応を取り始めています。去年5月、カナダ政府は第5世代の通信規格、5Gの整備を進める上で安全保障上の懸念があるとして、中国の通信機器大手「ファーウェイ」と「ZTE」の機器を排除すると発表しました。そしてことしに入り、中国企業が運営する動画共有アプリTikTokについて、調査を開始したことを明らかにしています。また去年11月には新たなインド太平洋戦略を発表し、海洋進出を念頭に中国を「破壊的なグローバルパワー」だとしてけん制しました。最近では、2019年と2021年に行われた総選挙に中国が介入したとする報道が相次ぎ、トルドー首相は「たとえ結果が変わらなくても外国による干渉があったとすれば深刻だ」として特別調査官を任命して干渉があったかどうか本格的に調査を行う方針を明らかにしています。またロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐっては侵攻直後に支援を表明し、侵攻からおよそ2か月半後の去年5月8日には事前の公表無しにウクライナを訪問してゼレンスキー大統領と会談しました。そしてことし2月にはウクライナ側が供与を強く求めてきたドイツ製の戦車「レオパルト2」を輸送するなど軍事面での支援も行っています。

【G7首脳で唯一国葬参列表明】

トルドー首相は2022年、安倍元総理大臣の死去を受け、G7=主要7か国の現職の首脳として唯一、国葬への参列を表明しました。その後、国内を襲ったハリケーンの対応のため参列を取りやめましたが、死去の報道を受けてツイッターに「暗殺は信じられないほど衝撃的で、深く悲しんでいる。世界は先見の明のある偉大な人物を失い、カナダは親しい友人を失った」とメッセージを投稿しました。2015年に就任したトルドー首相は、翌年、日本で開かれた伊勢志摩サミットに出席した際、安倍元総理大臣と首脳会談を行い、関係者によりますと、当時、G7の首脳の中で在任期間が最も短かったトルドー首相は、安倍元総理大臣からリーダーとしてのふるまいを教えてもらったとして今も恩義を感じているということです。現在、G7の首脳の在任期間はトルドー首相が最も長くなっています。