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スニーカー94%OFF?激増する偽サイト どう見抜く

大手ブランドの公式サイトで、どうしても欲しかった4万円のスニーカーが8000円に値引きされていたら?

そんな値引き、おかしくない?って疑いつつも、買ってしまいたくなりますよね。
でも、だまされないで。

大手の公式通販サイトのように見えても、真っ赤な「偽サイト」。増えているんです。

(デジタルでだまされない取材班 / 植田祐記者)

欲しかったスニーカーが

SNSで、目に飛び込んできたネット広告。

今月からナイキがティファニーと販売を始めたコラボスニーカーの画像。

「海外セレブも着用多数!」
「世界2000足限定」
「直営店、正規店からの買い付け」

スニーカー好きの私、世界的なブランドとのコラボとあってネットでも大きく話題になっていたので、気になっていました。

クリックして販売サイトに飛んでみると、販売価格に94%オフの表記。

割り引き前の価格として表示されていたのは32万9800円。

うーん、さすがにあやしい。

調べてみるとこのスニーカーは、本来は、およそ5万円の商品。さらに、よくよく見てみると「送料無料」ではなく、「送関無料」などという表記。

これは、詐欺ではないか、詳しく調べようとしていたところ。

サイトが突然つながらなくなりました。。。。

ネットを、もう少し、調べてみると。

ナイキの別の商品が、今度は、“人気の通販ショップ”のサイトで格安で販売されているのを見つけました。

え、ほんとに?

でもでも、よくよく見てみると、他の商品も価格が軒並み安すぎる!

シャネルのバッグが1万6800円。ロレックスの腕時計が2万6800円。

なぜこんなに安いのか、問い合わせ先にメールを送ってみましたが、返信はありません。

このサイトは私もたまに閲覧する最近人気の海外ブランドの通販ショップをかたっていました。

運営する日本法人の窓口に確かめると「それは偽物です。気をつけてください」との回答。やっぱり偽サイトでした。

詳しく聞いてみると、ほかの利用者からも似たような偽物の通報が寄せられていて、削除要請など対応に追われているということでした。

ロゴのフォントや、CMに出演している人気タレントの画像を勝手にコピーして使うなど、本物と似せて作られていました。ここまで似ていると、さすがにだまされてしまうかもしれないと思いました。

激増する偽サイト

実は、こうした人気ブランドなどの偽サイトにだまされたという被害、全国で多発しています。

国民生活センターによりますと、偽サイトで注文をしてしまい、商品が届かなかったなどの相談は、2021年の春以降、増えてきています。

去年4月から12月末までの相談件数は1万1019件。おととしの同じ時期と比べると、2倍近くに増えています。特に、年末年始に増加する傾向が見られます。

こんな特徴が

消費者庁も、いくつかの偽サイトに関して注意を呼びかけています。

こちらは、アウトドア用品などの人気ブランドの偽サイト。

公式サイトとまったく同じロゴを使用。掲載している商品の画像も、公式サイトから無断でコピーされたものでした。

偽サイトへの誘導をするSNSの広告には「人気ダウンジャケット期間限定セール」と記載されていました。

こうしたSNS広告を経由して、偽サイトに誘導されたケースも目立つようになっているほか、インターネットの検索結果に偽サイトが表示されることもあるということです。

このサイトではダウンジャケットが8500円、パーカーが7500円で、やはり実際の商品と比べて極端に安く、こうした「お買い得」に、多くの消費者がだまされているようです。

商品届かず 高額決済も

国民生活センターに寄せられた声です。

「通常価格の半額以下になっていたソファをクレジット決済で注文した。1週間後、カード会社から『海外の航空会社で18万円決済されている』と連絡が来た」(40代男性)

「通常3万円のブーツが7000円で販売されていたので指定口座に代金を振り込んだが、商品が届かず、電話もつながらない」(30代女性)

だまされないために 見分け方は

こうした偽サイト。URLを公表するなどの対策がとられても、次々と新しいURLで別のものが生み出される“いたちごっこ”となっています。

国民生活センターが呼びかけている偽サイトを見抜くためのポイントです。

▽サイトのURL表記がおかしい
▽日本語の字体、表現がおかしい
▽大幅に値引きされている
▽事業者の住所の記載がない
▽連絡方法が問い合わせフォームやフリーメールだけ
▽支払い方法が限定されている
▽サイトのリンクが機能しない

どれか一つでも違和感を覚えたら購入を踏みとどまることを意識しましょう。

万一、注文してしまったら

また、偽サイトで注文してしまった場合でも、支払い方法に応じて素早く対処することで被害を避けられる可能性があります。

クレジット決済の場合
▽すぐにクレジットカード会社に連絡する
▽利用明細を定期的に確認する

口座振り込みの場合
▽最寄りの警察に被害を届け出る
▽「振り込め詐欺救済法」による救済を求める

代金引換サービスの場合
▽注文直後の場合 メールでキャンセル連絡
▽支払い前の場合 送り状の「依頼人」と販売業者を確認し、違う場合は受け取り拒否

買いたい!欲しい!でも待って

偽サイトには、本物のサイトにはない巧妙な手口が使われていることもあります。

私が見つけた海外ブランドの人気通販ショップの偽サイトでは、「2時間前に大阪市の藤○○さんが購入」といった、閲覧者の購入意欲をかき立てるポップアップが数秒ごとに表示されていました。

「どうしても欲しい、買いたい」と感じた時にこそ、「本当に大丈夫かな?」と冷静になって、立ち止まってみること。そうした意識が大事なのではないかと思います。

消費者庁などは、困った時は、全国共通の消費者ホットライン188番(いち・はち・はち)に電話するよう呼びかけています。