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NHKアナウンサー 命を守る“防災の呼びかけ”

災害が予想されるとき、災害が起きたとき、命を守るためにどう呼びかけたらよいか? 災害報道に備えてNHKアナウンサーが改善を重ねてきた呼びかけの文言、および音声(AIを活用した合成音声)を公開します。
地域の防災減災にご活用ください。

「防災の呼びかけ」のご活用について

言葉で命を守ることはできないか?このテーマに、私たち全国のNHKアナウンサーは向き合ってきました。きっかけは、東日本大震災です。あの日、なぜ多くの方々の命が失われてしまったのか。もっと多くの命を救うことはできなかったのか。震災以降、私たちはこの思いを胸に調査や検討を重ねてきました。
そうしてできたのが、NHKアナウンサーの「命を守る呼びかけ」です。この取り組みの支えとなったのが、津波で家族を失った方々の証言や水害で被災した方々との対話です。「あの時声をかけていれば、息子を救えたかもしれない」「避難の呼びかけで、すんでのところで助かった」。調査や検討で見えてきたのは、身近な人の声が避難を後押しする力になるということです。ご家族、ご近所、学校や職場、行政や消防。地域を知るから、顔が見えるから、そして何より、助かってほしいという思いが強いからこそ、言葉が届くのです。

ここに公開するのは私たちが紡いだ言葉の一端ですが、大切な人の命を守る呼びかけとしてご活用ください。災害から命を守るのは、皆さん一人ひとりの言葉です。

◆地域になじみの地名を入れる
呼びかけ文言に地名などを入れると、自分が当事者だという意識がぐっと高まります。「〇〇地区が浸水しそうです」「○○公園まで逃げてください」などです。その際、正しい情報に基づいて呼びかける、それ以外の地域は安全だという印象を与えないようにするなどの配慮が必要です。
◆呼びかける相手を示す
呼びかけ文言に「〇〇地区の皆さん」「〇〇川流域の方は」など、相手をはっきり示すと効果が高まります。ただし、対象を絞りすぎるとそれ以外の方にとっては安心情報になりかねないので、対象と内容が適切かどうかを考えながら運用してください。
◆地域の過去の災害を例に出す
呼びかけ文言にその地域で起きた過去の災害事例を盛り込むと、説得力が増します。「〇〇年前にも堤防が決壊しました。早く逃げてください」などです。どんな災害でどんな被害が出たのか、あやふやな情報ではないかなど、事前に確認しておくとよいでしょう。