風疹の最新ニュース

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風疹ワクチンクーポン 利用期限3年延長 “利用し流行防止を” 2021年12月21日

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの人がすでに2回のワクチン接種を済ませました。一方で、国として東京オリンピックの年までに排除を目指しながらいまも達成できていない感染症が「風疹」です。妊婦が感染すると生まれてくる赤ちゃんに障害が出るおそれがあります。

国は、中高年の男性が抗体検査やワクチンの接種を無料で受けられるクーポンの配布を進め、今月17日には、今年度末だった利用期限を3年間延長することを決めました。

風疹で障害を負った子どもたちの親などで作る会は、クーポンを利用して風疹の流行をなくしてほしいと呼びかけています。

風疹は妊娠20週くらいまでに感染すると、生まれてくる赤ちゃんが耳や目、心臓などに障害がでる「先天性風疹症候群」になる恐れがあります。

国は東京オリンピックの年までの風疹排除を目指し、子どものころワクチンを接種する機会のなかった1962年4月2日から1979年4月1日生まれの男性、つまり現在42歳から59歳の男性について抗体検査やワクチンの接種を無料で受けられる制度を2019年度から進めてきました。この10年ほど、この年代の男性を中心に風疹の流行が繰り返されてきたためです。

しかし新型コロナの影響でクーポンの利用は伸び悩み、厚生労働省によりますと、ことし10月までに抗体検査を受けた人は全国でわずか23%にとどまっています。

“風疹で苦しむ母子をゼロに” 当事者の思いは

岐阜市の可児佳代さんは39年前、妊娠の初期に風疹にかかりました。

生まれた長女の妙子さんは、目と耳、心臓に重い障害がありました。

18歳の時、風疹による心臓の病気が悪化し、病院のベッドの中で両親に「お父さんとお母さんと私は頑張りました」という手紙を書いた数時間後に亡くなりました。

その後も風疹の流行は繰り返し起こり、2012年から13年にかけての大流行では45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群で生まれたほか、中絶を決断した人も少なくないとみられています。

風疹で苦しむ母子をなくしたいと、可児さんは風疹で障害を負った子どもの親たちで作る会を立ち上げ、ワクチンによる根本的な対策の実行を求める活動を続けてきました。

新型コロナの感染拡大でワクチン接種が進む一方、同じ無料でありながら風疹のワクチン接種が進まないことに可児さんは悔しさを感じていて、ぜひ制度を利用して風疹の流行を防いでほしいと呼びかけています。

可児さんは「風疹も集団免疫さえ持ってもらえれば、おなかの命、未来の命を守ってあげられて、女性が安心して妊娠出産できます。皆さんの力で、風疹も終わらせてほしいというのが切なる願いです」と話しています。

クーポン利用期限 3年間延長決まる

クーポンの期限はもともと今年度末まででしたが、厚生労働省は12月17日、期限の3年間延長を決めました。

クーポンは、住んでいる自治体以外の医療機関や職場によっては健康診断でも利用できます。