風疹の最新ニュース

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「風疹対策強化を」厚労省に緊急要望 2019年11月29日

妊娠中に風疹にかかり子どもに障害が出た親たちで作る団体などが、29日、厚生労働省を訪れ「今のままでは風疹の流行を食い止められない」として、対策を強化するよう緊急の要望を行いました。

風疹は妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんの目や耳、それに心臓などに障害が出るおそれがあり、ことしに入って4人の赤ちゃんに障害が出たことが報告されています。

厚生労働省は風疹の拡大を防ぐため、子どものころにワクチンを接種する機会が無かった40歳から57歳までの中高年の男性が、抗体検査やワクチン接種を無料で受けられるようにする対策を進めています。

今年度は40歳から47歳までの男性に無料のクーポン券を配布していて、来年度については、28日開かれた審議会で48歳から53歳の男性に配布していくことが決まりました。

ところがクーポンの利用が伸び悩み、今年度配布された640万人のうち、抗体検査を受けた人は80万人余りにとどまっています。
こうした中、子どもに障害が出た親たちで作る団体などが、29日、厚生労働省を訪れ「このままでは、風疹の流行をなくすことができない」として、厚生労働大臣宛てに対策の強化を求める要望書を提出しました。
要望書では、40歳から57歳までの男性全員に早急にクーポンを送ることや、働き盛りの男性が何度も医療機関に行くことは難しいので抗体検査をしなくてもワクチンを接種できる体制を築くこと、そして、20代や30代の男性でも風疹に感染したという報告が多いことから、クーポン配布の対象年齢を拡大することを求めています。

「風疹をなくそうの会」の可児佳代共同代表は「厚生労働省は2020年までに風疹の流行をなくすことを目標に掲げながら、その意思が無いのではないか。中途半端な対策ではまた流行を繰り返し、生まれてくる赤ちゃんを守れないので抜本的に見直してほしい」と話しています。