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クロアチア戦 午前0時キックオフ ポイントは?【QAで詳しく】

サッカーワールドカップカタール大会に臨んでいる日本代表は、日本時間の6日午前0時から決勝トーナメント1回戦で前回大会準優勝のクロアチアと対戦します。

史上初のベスト8進出に向けて、勝つためのポイントはどこにあるのか。

元日本代表のゴールキーパーで、今回の試合をNHKラジオ第1で解説する小島伸幸さんと、クロアチア出身の元Jリーガー、ミハエル・ミキッチ氏に聞きました。

※NHKでは日本時間の5日午後11時50分から決勝トーナメント1回戦、日本対クロアチアの試合をラジオ第1でお伝えします。

目次

    “非常によく相手を研究している”

    Q.ここまでの日本代表の戦いぶりについては?

    (小島伸幸さん)

    A.非常によく相手を研究していたなという印象。組み合わせが決まってから森保監督はじめスタッフ陣で、スカウティングだったり戦略を練ったりというところが非常によく出ていたのかなという感じがする。とくにスペイン戦をみると、ブスケツ、ペドリ、ガビ、このあたりに仕事をさせないために、どのように自分たちがシステムを組んで、ゲームを戦っていくか、すごくよく出ていたような感じはする。

    Q.森保監督の采配についてはどのように見ているか?

    A.90分を通して、ドイツ、スペイン、コスタリカもそうだが、主導権をとって自分たちのペースっていうのは厳しいという中で、前半をどのように戦って、どこから勝負をするのか、そういうところが緻密に考えられて、選手交代を含めてシステム変更を含めて戦っていたような感じがする。

    “1点とられても慌てない”

    Q.試合の流れを捕らえている?

    A.相手のよいところを消しながら、やはり1点とられても慌てない、勝負をかけたときにしっかりと得点を、というところは、すごく感じられましたし、とくにスペイン戦は早い時間に失点しましたけども、戦い方はほとんど変えていなかったですよね。勝負するべき所を監督もそうなんですけども、選手自身がよく理解をして、戦っていたのかなという気はします。

    Q.ディフェンス面については?

    A.ドイツ戦に関していうと、決定機は作られましたけども、しっかりとディフェンスがコースを切りながら、ゴールキーパーが飛んできたシュートをどこにくるか感じやすいようにしてくれているというのもありますし、そういった連携と集中力というのが非常にゲーム全体を通してよくできていたところなのかなと。

    スペイン戦に関してはペナルティエリア内への進入というのを非常に少なく、後半に一回だけあったぐらいですかね。そういったところで非常にやるべき仕事を全うしていたという、一人一人が。そういう感じはする。

    “権田の精神的な強さ”

    Q.ゴールキーパーの権田さん、これまでのプレーぶりは?

    A.非常によくやっていると思う。ドイツ戦でPKを与えてしまいましたよね。大事な試合でPKをゴールキーパーみずからが与えてしまったと。

    そうすると、たいがいはメンタルの部分で落ち込んだりというのがプレーに現れたりするんですけど、あの試合の権田選手はその後のプレーを見てもらってもわかるように、そこでは落ち込まずに、しっかりと最後まで自分の仕事を全うしたという精神的な強さですよね。

    こういったところはすごく感じましたし、あのゲーム、もし権田選手がPKを与えたことによって、自分のプレーができなくなってしまったら、あのゲームはあのような結果にはなっていなかったはずですね。2戦目、負けてしまいましたけど、3戦目のパフォーマンスを見ても、かなり精神的に安定して周りに与える影響は大きいのかなという気がしますね。

    Q.チームに浸透する意識もある?

    A.一緒にやってきて、どういう選手かというのは、権田選手がフィールドプレーヤーのことも分かりますし、フィールドプレーヤーも権田選手のことをわかっているし、そういうところで信頼しあえているのかなという感じはする。

    “モドリッチを自由にさせない”

    Q.クロアチアのモドリッチ選手のフリーキック、どう防ぐか?

    A.不用意なファールというのは、相手の得意なところでチャンスを与えてしまいますので、自陣でのファール、どうしようもない場合は別ですけども、モドリッチ選手のフリーキックからの高さというのもクロアチアにはありますので、コーナーキックも含めて、ロングスローもある。そういったセットプレーは、与えたくないというのはあります。

    どこにいてもモドリッチ選手は仕事をしますので、彼を自由にさせないようにプレーはしていかないといけない。スペイン戦でも中央の3枚、非常に戦術的に、テクニックにたけている選手たちをおさえましたので、次の試合もモドリッチ選手をはじめ、中盤の中央の3枚はよい仕事をしますので、引き続き気をつけていかなければいけないところなんだと思う。

    セットプレーというのは、かなり武器なので、ラウンドが進むにつれて気をつけなきゃいけないことというのは、たくさん増えてくる印象としてありますけども、今の日本ならやってくれるような気がする。

    “ねらったところへ打たせないように”

    Q.高さも脅威だけど、どういうポイントで抑える?

    A.しっかりと体を合わせていくところ、フリーで、勢いよく、自分がねらった、ヘディングをする選手のねらったところへ打たせないようにするのが最大限の最初のポイントになってくると思う。やはりこぼれたボールを周りの選手がフォローする。

    この間、スペイン戦で権田選手がシュートをはじいたあとに相手選手の前に吉田選手が足を出したんですよね。ああいうところ、ほんのちょっと先でよいので、日本の選手が触れるように集中力を切らさないこと。

    いちばんいいのは(フリーキックを)与えないことですが、もしそういうふうになったらしっかりと体を寄せる、セカンドボールの対応をしっかりするところが絶対的な条件になってくる。

    “結果がついてくれば最高”

    Q.どういった試合を見せてほしいか?

    A.結果は勝ったほうがいいと思います。そこに向けて選手たちもやっている。その気持ちが見ている周りに私たちに届くような、そういうゲームをしてくれることを祈ります。結果がついてくれば最高です。

    Q.今回の試合をNHKラジオ第1で解説するがどんな解説に?

    A.仮に劣勢になったとしても、ここまでのゲーム展開を考えると最後に必ず試合をひっくり返してくれる。そういったミラクルが起きますので、最後まで皆さんで応援して、放送をきいていただければと思います。決勝トーナメントに入りましたので、延長、PKもありますし、権田選手の見せ場というのがたくさんあると思いますので、そこをぜひ聞いていただけたらと思います。

    日本とクロアチアを知る元Jリーガーは

    一方、クロアチア出身で、Jリーグのサンフレッチェ広島、それに湘南ベルマーレでプレーしたミハエル・ミキッチ氏は、ポイントとして「日本は辛抱強くチャンスを待つことだ」と述べ、日本代表にもエールを送りました。

    Q.ゆかりのある日本とクロアチアが対戦する。今の気持ちは?

    (ミハエル・ミキッチ氏)

    A.どちらもベスト8に進むチャンスを得たことはとても喜ばしいことだ。私は日本を愛していて、私にとって特別な存在だ。日本で過ごした10年はとてもすばらしい時間だった。私は熱心な日本のファンだが、今回の試合については私の心はクロアチアとともにある。

    クロアチア 最も重要な3人の選手

    Q.クロアチアチームの特徴は?

    A.クロアチアには信じられないほどすばらしい3人のミッドフィルダーがいる。キャプテンのモドリッチ選手、コバチッチ選手、ブロゾビッチ選手だ。この3人が試合運びで最も重要な判断を担っている。ペースを速めるのか、スローダウンするのか、攻撃の準備をするのか決めている。この3人が最も重要な選手だ。

    そして、前線にはクラマリッチ選手。ドイツの一部リーグでプレーしていて、日本の多くの選手も彼のことを知っていると思うが、1回のチャンスを必ずものにできる非常に危険な選手だ。

    Q.クロアチア代表は前回大会では準優勝した。今回のチームにはどんな期待をしているのか?

    A.決勝まで進めると信じている。今の代表は、準優勝したメンバーに新たな若い選手が融合し、いい状態に仕上がっている。ただ、フランスやイギリスも強い。スペインも強い。そのスペインに日本が勝ったことは信じられないことだ。正直に言って日本がスペインに勝つとは思わなかった。日本は誇りに思っていいと思う。

    Q.クロアチアが勝利するとみているのか?スコアの予想は?

    A.クロアチア対日本でなければ、私の心は常に日本のためにある。試合は1対0か2対1でクロアチアの勝ちだ。ただ、最もうれしいのは3対2で勝つことだ。そうなればクロアチア、日本の双方の人たちが興奮できるおもしろいゲームになる。

    “チャンスが来るのを辛抱強く待つ”

    Q.日本が勝利するためのアドバイスはあるか?

    A.チャンスが来るのを辛抱強く待つことだ。攻守の切り替えを早く。私にいえるのはこれくらいだ。

    Q.日本チームで注目している選手は誰か?

    A.三笘薫選手だ。彼はスピード、テクニック、すべてを兼ね備えた日本の新たなスターだと思う。勇気があり、ドリブルが好きだよね。これまでに見たことのないタイプの選手で大きな活躍の可能性を秘めていると感じている。彼が川崎フロンターレでプレーしている頃から追いかけていた。

    サンフレッチェ広島で一緒だった浅野拓磨選手もすばらしい。彼はジョーカー、切り札として適役だ。点を取らなければいけないとき、試合のリズムを変えなければいけない局面で、大きな仕事ができるタイプの選手だ。

    私は今もJリーグや日本の選手をフォローしていて、日本の選手たちがヨーロッパのリーグで活躍しているのをとても喜んでいる。彼らはJリーグでも十分な給料を受け取り、いい暮らしができるのにもかかわらず、世界のトップリーグで自分を試したいとハングリーに挑戦している。そして、多くの選手がベンチを温めるのではなくレギュラーの座をつかんでいる。これは大きなことだ。ヨーロッパで毎週末のように試合に出場し、経験を積んでいることは、今回の日本の躍進とつながっている。

    “森保監督はすばらしい監督”

    Q.サンフレッチェ広島に在籍していた時に森保監督が率いるチームでプレーした。彼のこれまでの指揮をどう見ているのか?

    A.私は彼の下で5年余りプレーした。まず、彼はすばらしい人である上にすばらしい監督だ。常に新しいものに試み、戦術に富んでいる。選手に求めることも明確で、彼の率いるチームはつねに成功している。

    今回のワールドカップで日本はドイツとスペインの試合で前半はいいプレーができていなかったが、森保監督は選手を替え、システムを変え、勝利を収めた。彼の持ち味が発揮されたと思う。

    Q.森保監督の指揮を高く評価しているが、クロアチア代表は打ち勝てるか?

    A.そう期待している。日本がベスト8をめざしていて、監督や選手の夢であることは十分わかっているが、その目標はこの大会ではなく、次のワールドカップで実現してほしい。

    Q.今、スロベニアのチームで選手の指導をしている。いつか日本でも指導をしたいか?

    A.もちろんだ。私の夢はいつかJリーグからオファーが届くことだ。それがサンフレッチェ広島であればすばらしい。ただ、もしほかのチームからオファーが届いたとしても、私は指導者になる準備はできているし、また日本に行きたいと思っている。

    日程・結果(日本時間)

    日本代表