Q.率直な感想は?
A.1戦目を考えればですね、日本チームが躍動する、得点も量産できるような状況、コスタリカにですね、初戦のスペイン戦、ああいう形で敗戦したっていう、まあそういう精神状態に早めにもっていく、そのためにも日本チームがキックオフからハードワークをして、自分たちで主導権を握って、ゴール前でたたみかけていく。そういう躍動感ある戦いを期待していましたけど。
さすがにやはりコスタリカもですね、伝統ある堅守から、速攻とまではいきませんでしたけども、やっぱり全員でしっかりハードワークして、日本のスピーディーな展開を抑えていこうという統一したディフェンス力というのがコスタリカにあって、日本チームはそこを抑えることができなかった。
そこが後半システムを変えても、ズルズルと攻めあぐんでしまった。
なかなかリズムもテンポも上がらない感じで、終盤は個の力で突破を図ったり、厳しいスペースがない中、(伊東)純也がディフェンスラインの背後を狙ったり、そういうチャレンジをしながらなんとか得点をこじあけようとしましたけど、少し遅かったような感じがします。
Q.ドイツ戦から先発メンバーを大きく変えた意図は?

A.ドイツ戦と違ってコスタリカのチームスタイル、ディフェンスラインを押し下げながら前線も戻って、まあ全員で守備をリトリート(守備重視の戦術)しながらやっていくというところが、コスタリカのチームスタイルなので、なかなかスペースがない中、前田や浅野の起用よりもボックス内にボールが供給される、そういう確率が高い上田を起用したり、技術もある堂安や鎌田を使ったりして、スペースがない中でも破っていける、そういう選手を起用したんだと思いますね。
Q.半分ぐらいのメンバーを代えた効果は?
A.前半に関してはですね、なかなかコンビネーションであるとかグループとしてのパフォーマンスっていうのはなかなか機能しなかったように思います。
それはやはりパス交換が非常にこう遅い、一歩遅い、そういう呼吸が少しワールドカップのピッチの上では、スムーズにさせてもらえなかった、どうしてもボールスピードも上がらない、人の動きもスローペース、そういう前半だったと思います。
なかなかゴール前に決定的なチャンスを作ることができなかった、少し全体の流れが遅かったと思います。
Q.日本の最大の敗因は?
A.1戦目ドイツに逆転勝利をしたっていうアドバンテージに対して油断はなかったと思います。
逆にやはり2試合目しっかり戦わなければいけない、勝ちきらなければいけない、そういうチームのスピリットというのは強かったと思うんですけど、なかなかそれがあのピッチ上で、メンバーも変わったなか、若干ずれが気持ちの、あるいはプレー自体のギャップがあったように感じますね。
ドイツ戦の後半に見せたスピーディーな日本の強みであると思うんですけど、そういう相手が一番嫌なプレーをグループでやってくるというのがなかなか機能しなかったと思います。
Q.失点シーンについては?

A.取れる感じもなかなかしない、取られる感じも全くしてなかったんですね。
でもこういう展開というのはやはりワンチャンスでああいう形で持ってこられるというのはよくわかるので、堅守から速攻を受けたわけでもなく、ポゼッション(ボールを持たれ続ける)されて崩されたわけでもなく、なんとなくボールが何本目かには奪えるだろうという局面の強さが足りないなか、ワンチャンスが決められてしまった。
これは褒めたくはないですけど、コスタリカのしたたかな、そういう戦略的なものも感じられました。
Q.後半スリーバックにした効果は?

A.組み立てのポイントが伊藤を使って、麻也、それから板倉っていうようなポイントがかなり増えたので、ボールの出どこが増えた中で、厳しいボールチャレンジしていくボール、セーフティにボールを動かしていくのではなくて、鎌田に入れたり、前線の浅野に入れたり、そういう厳しいところにボールを入れて、確かそこでディフェンスをされるんですけど、そこから2つめのディフェンスに入って、セカンドのボールを攻撃に繋げていく、まあそういうあの積極的なボールの動かし方がセンターを使ったり、思い切ったサイドチェンジをしたり、そういう中で徐々に攻撃のポイントが、まあそういうエリアでスペースをもらえるような形が増えてきて、三笘がああいう形で突破できたのも、そういう延長だと思うんですけど、ボールの動かし方が早くなって、受けやすい状態で受けさせてあげる。
突破できる、前線も動きやすく、敵の背後を狙える。
そういう動きが流動的に出始めた中で、ボックスにボールを供給する回数が増えたり、人も侵入する回数も増えて、終盤チャンスがいくつかあったと思います。
Q.後半 得点がとれなかった理由は?

A.日本にも、もう少し迫力がなきゃいけないと思います。
あの決定的にフィニッシュとれなくても、その前にこう相手とつぶれたり飛び込んでいって相手のポジションを動かしたり、そういう中でセカンドラインがそのスペース入っていくとか、もっともっと流動的に自分たちでスペースを作る動き、そういうなかで守田や遠藤あたりも、リスクを負ってでも入っていくとか、そういう自分たちがスペースをもらったり時間をもらったりそういうプレーが増えてもっともっとチャンスはあったと思いますが、終盤多少そういう部分が出たと思います。
Q.最終戦のスペイン戦に向けて修正点は?

A.初戦のドイツ戦の前半、コスタリカ戦の前半、ともに決して自分たちの狙い通りに進めていないように思うんですよね。
もっともっとハイプレスで、多少最終ラインにリスクがあったとしても、ボールを前に、そういう圧力をかけられるのが日本の攻撃権を奪うための全員での作業が強みなんですけど、そこが発揮されていないので、そういうまずは攻撃権を得るためのボール奪取に対する、スペインもボールを動かすことにはトップレベルですけど、果敢にそこは相手のミスを誘ったりですね、意図を外したりするためのプレスということをこれ日本チームできると思うんですよね。
そういう圧力が1・2戦なかったので、後半慌ててという形が出てきてますけれども、それを3戦目、これ突破かかるゲームなので、リスクに強く挑んでほしいなと思いますし、やれる力は充分にあると思います。
Q.メンタル面の立て直しは?

A.そのポイントの方が重要かもしれませんね、勝ち切れなかったというところのメンタル的な、これはチーム全体が落ちてチーム全体が上がるような感じであればいいんですけど、やはり個々に落差あると思うので、この全体的にメンタリティをあげていく作業がこれはこういうときこそ、チームスタッフの力だと思いますし、ワールドカップの怖さというのはこういうところだと思いますし、こういうことも想定していたと思うので、戦いは続きます。
振り返りはわずかにして、次のスペイン戦、しっかりチームで反省して、充分戦えるっていう気持ちをまず持てるように、切り替えていってほしいなと思います。
フィジカル的にはまだ充分に戦える状態だと思うので、チーム全体でチームスピリットをもう1度よみがえらせる3日間にしてほしいです。
Q.引きずらずに切り替えられるか?

A.もう引きずることはないと思います。
振り返りをしっかりしてですね、課題はあると思うので、それを全員で共有して、スペインにどういう形で入っていくか、共通理解をしっかりとってですね、臨んでいくことが大事で、僕は本当にスピリッツを発揮しなきゃいけない瞬間が来ていると思います。
大いに期待したいと思います。
Q.すぐに来る次の試合に向けて
A.スタートメンバーとバックアップメンバーの選手、出場機会のなかった選手の中の、そういうモチベーション的な差がどうしても出てきてしまうので、逆にスタートメンバーよりも、バックアップの選手たちに目配りできるスタッフが必要だと思います。