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追跡!ネットアンダーグラウンド

偽サイトで注文「商品届かない」トラブル急増

2022.11.14 :

企業のショッピングサイトやブランドの通販サイトなどを装った、いわゆる「偽サイト」で注文してしまい「商品が届かない」といったトラブル相談が去年と比べて2倍以上増えていることが分かった。

ネット上で私たちの身近に存在する「偽サイト」。

その特徴や気を付けるべきポイント、私たちにできる対策は何かを取材した。

「偽サイト」の相談件数 去年の倍以上に  

偽サイトの一例 高い割引率が特徴の1つだという
「偽サイト」は、企業のショッピングサイトや有名ブランドなどの公式通販サイトなどを装って商品を販売するサイトのことだ。
正規のサイトと見た目がそっくりで、販売価格が格安で表示されていることなどが特徴だ。
こうした偽サイトで注文をしてしまい「代金を振り込んでも商品が届かない」「偽物が送られてきた」といった相談が全国の消費生活センターに相次いで寄せられている。

国民生活センターによると、今年4月から先月末までの間にこうした偽のショッピングサイトなどに関する相談は2508件寄せられていて、去年の同じ期間と比べるとおよそ2.7倍に増加しているという。

「商品が届かない!」「連絡がつかない!」

では具体的なケースを見てみよう。
(今年10月・近畿地方の70代の男性)
「SNSに表示された広告で、実在するメーカーの13万円するパソコンが1万円ほどで販売されていたので注文したが、1か月待っても届かない」
(今年10月・関東地方の40代の男性)
「通常3万円ほどのブーツが7000円で販売されていたので、氏名や住所、電話番号などを入力して注文し、指定された口座に代金を振り込んだ。24時間以内に発送するというメールが来たが、商品は届かず電話もつながらない」
国民生活センターに寄せられた相談内容などから、ネットやSNS上に表示される「広告」などから誘導されるケースが多いと見られ、センターなどが注意を呼びかけている。

消費者庁“不自然な点がないか確認を”

偽サイトの一例 見た目だけでは正規かどうか判断がつかない
今年3月には、生活用品メーカー大手の「アイリスオーヤマ」と生活雑貨などを販売する「BRUNO」の2社をかたる偽の通販サイトで注文してしまったなどという相談が相次ぎ、消費者庁が注意喚起を行った。

それぞれの偽サイトでは、本物の会社のロゴや商品の写真を使用していて、写真をクリックすると、公式サイトと同じような仕様が表示されるなど巧妙に作り込まれていた。

商品は通常よりも大幅に値引きされた価格が表示され、支払いはクレジットカードのみ。商品を購入しても届かないケースがほとんどだったという。

"偽サイト" 警察に検挙されたケースも

また、ショッピングサイトの「偽サイト」を巡っては、警察に検挙されるケースも起きている。

今年11月には、偽サイトでだまし取ったとみられる現金を複数の他人名義のキャッシュカードを使って引き出したとして、2人が警視庁に逮捕された。

2人が引き出した銀行口座は、偽サイトの振込先に指定されていて、警視庁はサイトの作成者などについても捜査している。

被害にあわないための対策は

偽サイトは今この瞬間にも次々と作られている
偽サイトの分析や対策などを行っている「日本サイバー犯罪対策センター(JC3)」の調査によると、毎月1万件前後の偽サイトが新たに確認されており、今年6月には9634件、7月には1万104件、8月には8630件が新たに見つかっている。

見た目だけで偽サイトかどうかを見分けるのは難しく、中にはインターネットの検索結果を不正に操作する特殊な攻撃によって検索結果の上位に偽サイトが表示されるケースもあるという。

センターは被害に遭わないようにするために、
▽事業者の名称や住所、電話番号が実在する企業かどうか。
▽振り込み先の口座名義が事業者の名称と一致しているか。
▽支払い方法が銀行振り込みだけ、など限定的ではないか。
▽不自然なほど格安で販売されていないか。

最低でも以上のことを確認してほしいとしている。

セキュリティー対策ソフトを導入することで、偽サイトへの接続を防げる場合もあるという。
(日本サイバー犯罪対策センター 大野克巳さん)
「偽サイトはその件数を把握すること自体が困難なほど膨大に作り続けられている。中にはこれからのクリスマスシーズンに合わせて『バーゲンセール』と称して購買意欲をかきたてるような内容を表示するものもある。まずは、インターネット上に偽サイトがたくさん存在しているということを知ってもらい、被害にあわないよう備えてほしい」

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報道局 科学文化部 

島田尚朗

2010年入局。

福岡県出身。

「科学番組を作りたい」という思いでNHKに入局。
広島―静岡―福岡を経て、科学文化部。
ローカル時代は「1人科学部」を自称し、科学系の取材に専念。
地元の方言が抜けないまま、宇宙や海の生物、昆虫などの取材を手がけてきた。
現在はIT・文化班にてサイバーセキュリティーや消費者問題などを担当。
もちろん今も生物系の取材は大好物。
毎年、沖縄の海で泳いだり潜ったりを続けてきたが、この3年は沖縄渡航はおろか泳いですらないので、そろそろ干からびてしまいそう。

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社会部

周 英煥

社会部記者

警視庁クラブで事件取材を担当。

 

2017年入局。岡山局を経て2021年から現所属。

これまで被爆者やハンセン病の元患者などを幅広く取材。

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記事の内容は作成当時のものです

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