海を渡った“クマネズミ”

家の周りや畑など私たちの近くに暮らす小さな動物「クマネズミ」。
人類の移動とともに全世界に分布を広げたと考えられていて、遺伝子で分類すると6種類の系統が存在することがここ10年ほどでわかってきています。
日本では2種類の系統が生息しているとされてきましたが、京都大学などの研究グループは沖縄県の宮古島と与那国島、それに多良間島で日本では確認されていなかった新たな1種類の系統を発見したと発表しました。
国内では初確認となったこの系統は、フィリピンやインドネシアに生息しているものと同じ系統だということです。
研究グループは「この系統がいつこれらの島に入ったのかは断定できないが、沖縄の島々に人が入り始めてからの数千年の間に人の移動に伴って渡ってきたクマネズミの子孫たちだろうと考えられる」と話しています。
人類の移動とともに全世界に分布を広げたと考えられていて、遺伝子で分類すると6種類の系統が存在することがここ10年ほどでわかってきています。
日本では2種類の系統が生息しているとされてきましたが、京都大学などの研究グループは沖縄県の宮古島と与那国島、それに多良間島で日本では確認されていなかった新たな1種類の系統を発見したと発表しました。
国内では初確認となったこの系統は、フィリピンやインドネシアに生息しているものと同じ系統だということです。
研究グループは「この系統がいつこれらの島に入ったのかは断定できないが、沖縄の島々に人が入り始めてからの数千年の間に人の移動に伴って渡ってきたクマネズミの子孫たちだろうと考えられる」と話しています。

《記者ひとくちメモ》
人はどのように移動して活動域を広げてきたのかを、クマネズミが教えてくれていることが意外で、動物の分類学が人類の歴史と交差する興味深い結果でした。(藤岡信介記者)
人はどのように移動して活動域を広げてきたのかを、クマネズミが教えてくれていることが意外で、動物の分類学が人類の歴史と交差する興味深い結果でした。(藤岡信介記者)
(2022年5月 京都大学総合博物館の本川雅治教授らが発表)

極めてよく伸び縮みする物質

極めてよく伸び縮みする特殊な物質を開発することに成功したと東京大学の研究グループが発表しました。
この物質は、コンタクトレンズなどにも使われる水を含んだゼリー状の高分子化合物の一種です。
研究グループが伸びやすいように分子を設計していて、引っ張ると、およそ2センチのものが40センチ程度まで伸び、緩めると縮みます。
実験では30倍あまり伸びたということです。
この物質は、コンタクトレンズなどにも使われる水を含んだゼリー状の高分子化合物の一種です。
研究グループが伸びやすいように分子を設計していて、引っ張ると、およそ2センチのものが40センチ程度まで伸び、緩めると縮みます。
実験では30倍あまり伸びたということです。



東京大学の酒井崇匡教授は「伸ばした時に亀裂が入りにくいという特徴があり、さらに改良を重ねることで、将来的には人工のじん帯やけんの開発につなげたい」と話していました。
《記者ひとくちメモ》
実物を見ると、その伸びは驚くほどで、研究グループでは「何に使うことができるか、ぜひアイデアを寄せてほしい」としています。(山内洋平記者)
実物を見ると、その伸びは驚くほどで、研究グループでは「何に使うことができるか、ぜひアイデアを寄せてほしい」としています。(山内洋平記者)
(2022年4月 東京大学の酒井崇匡教授らが発表)

高温で精子ができないワケ
動物の精子は、温度が高いとだめになってしまう。そんな話を聞いたことはありませんか?

精子はどれだけ温度に敏感なのか基礎生物学研究所などのグループが実験を行いました。
生きた動物では、精巣の温度を厳密にコントロールするのは簡単ではありません。そこで、グループは、マウスの精巣の細胞を取り出して温度をコントロールしながら培養できる技術を開発しました。
生きた動物では、精巣の温度を厳密にコントロールするのは簡単ではありません。そこで、グループは、マウスの精巣の細胞を取り出して温度をコントロールしながら培養できる技術を開発しました。

さまざまな温度で調べてみると、マウスでは、▼温度が34度前後では正常でしたが、▼35度を超えると精子が成熟しにくくなり、▼36度を超えると精子の元となる細胞から精子ができる際に重要な「減数分裂」という種類の細胞分裂が正常にできなくなっていたということです。

多くの哺乳類では精巣が体の外にあり、温度が低く保たれていて、グループでは、精子の形成プロセスにはわずかに1度の違いが 影響することが分かったとしています。
《記者ひとくちメモ》
「生物の進化にはシンプルな合理性がきっとあるはずだ」。取材で印象に残ったことばです。なぜ陰のうが体外に出ているのかを考えることも科学なんだと感じさせられました。(岡肇記者)
「生物の進化にはシンプルな合理性がきっとあるはずだ」。取材で印象に残ったことばです。なぜ陰のうが体外に出ているのかを考えることも科学なんだと感じさせられました。(岡肇記者)
(2022年5月 基礎生物学研究所の吉田松生教授らが発表)