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気になるサイカル

開花前に突然…/ちょっとだけ協力を/
3Dプリンターで羽?

2022.04.19 :

巨大な花ラフレシアの意外な生態

ラフレシアのつぼみ  画像提供:国立環境研究所 竹内やよい 主任研究員
謎に包まれている世界最大の花、「ラフレシア」の生態の解明につながる研究成果を、国立環境研究所などが発表しました。

きっかけは、ボルネオ島北西部の熱帯林の奥地で発見されたラフレシアのつぼみ。
膨らんだつぼみ  画像提供:国立環境研究所 竹内やよい 主任研究員
観察を続けたところ、1年近くにわたってつぼみの状態でじわじわと成長しました。

つぼみの直径がおよそ10センチを超えた頃から急に大きく膨らみ、50センチほどの巨大な花が咲いたということです。

国立環境研究所の竹内やよい主任研究員は「開花の前まで影を潜め、あっという間に花を咲かせたという印象です。存在を悟られないためのしたたかな生存戦略かもしれません」と話していました。
開花したラフレシア  画像提供:国立環境研究所 竹内やよい 主任研究員
《記者ひと言メモ》
ラフレシアはほかの植物に寄生して生きています。
あんなに大きな花が、つぼみの時には存在を悟られないための戦略を練っているとしたら、興味深いですね。(山内洋平記者)
(2022年3月 国立環境研究所 竹内やよい主任研究員などが発表)

“帽子”を使って調べるアザラシの暮らしぶり

撮影:国立極地研究所 國分亙彦助教
画像のアザラシ。
怪しげな角のついた帽子をかぶっているように見えますよね。


この帽子のようなものは、「データロガー」と呼ばれる装置です。
アザラシが生活している海域の水温や塩分などのデータを記録します。

国立極地研究所の國分亙彦助教によりますと、南極のこの海域は冬にかけて氷が厚く船の航行が難しいため、アザラシに「データロガー」を取り付けて調査したそうです。

その結果、アザラシが付近の海流を利用して効率よくエサをとっている様子などを確認できたということです。

この「データロガー」を野生動物につける研究は、各地で行われ、ペンギンやウミガメなどに“協力してもらって”人がうかがい知ることができない海洋の環境調査や動物の生態解明にも役立てられているということです。
《記者ひと口メモ》
アザラシの「データロガー」は接着剤でくっついています。
体毛が生え替わる時期に自然に外れるそうで、國分さんたちは「新しいデータをとるまでの間、ちょっとだけ協力してね」と心の中で声をかけながら取り付けるそうです。(藤岡信介記者)
(2021年12月 国立極地研究所 國分亙彦助教などが発表)

高機能な虫の“羽” あなたも再現できるかも

Scientific Reports より
地球上で大繁栄を遂げている昆虫。

その羽はコンパクトに折りたためたり、高い飛行能力を持っていたり、すぐれた機能があります。

そのような特徴を再現できれば、さまざまな製品の開発に役立つのではないかと期待されています。
3Dプリンターで作成  Scientific Reports より
九州大学の斉藤一哉講師らは、3Dプリンターでカブトムシやセミ、それにトンボの羽の模型を作製し、主な特徴を再現したと発表しました。
飛ばしてみると…  Scientific Reports より
ゴムなどの動力をつければ、昆虫のように“羽ばたき”、実際に飛ばすこともできるということです。
《記者一口メモ》
斉藤講師は、3Dプリンターで模型を作るためのソフトウエアを公開しています。「羽を再現してさまざまな分野で応用を検討してもらいたい」と話していました。(山内洋平記者)
(2021年10月 九州大学 斉藤一哉講師などが発表)

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科学文化部記者

藤岡信介

2008年入局。広島県出身。青森局と福井局を経て、2017年から科学文化部に。これまでに原子力規制委員会や電力事業者を担当し、原発の再稼働や廃炉を取材。幼少から父の厳格な教えのもと、そこそこ美味しい“広島風”お好み焼きを作れます。

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科学文化部記者

山内洋平

平成23年入局。初任地の佐賀局を振り出しに雪国の青森局、札幌局を経て科学文化部。主に基礎研究分野を担当。縄文や民俗風習にも興味があります。

 

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