ロシアによるウクライナの侵攻を巡って「アノニマス」を名乗る国際的なハッカー集団がロシア政府を攻撃のターゲットとすると宣言。
関連はわからないが、その後、ロシア政府のサイトなどが実際にサイバー攻撃を受けたと見られている。「アノニマス」とは何者なのか。10年以上にわたり、その動向を追ってきたSBテクノロジーのセキュリティーリサーチャー、辻伸弘さんに聞いた。
"国営放送の配信チャンネルをハッキング"と投稿

投稿したのは、アノニマスを名乗るツイッターのアカウントだった。
辻さんによると「アノニマス」は、2006年ごろ、インターネット上の掲示板に出現した緩やかなつながりのハッカー集団で、政治的な主張などを目的にサイバー攻撃を仕掛ける「ハクティビスト」の1つとして位置づけられている。
アノニマスは"うごうの衆"

メンバーになるのに条件はなく、出入りは自由だ。
サイバー攻撃を行ったと主張したのは

▽2012年には日本の違法ダウンロードの罰則化に抗議して、政府や裁判所などに
▽2013年は日本のイルカ漁に抗議して和歌山県の自治体などに
▽2016年には海洋生物の保護を訴えて、日本の水族館や企業などに
▽おととしにはミャンマーの軍事クーデターに抗議して軍などに対して、
サイバー攻撃を行ったと主張している。
日本では、財務省や国会それに関西空港などのウェブサイトがサイバー攻撃を受けたケースでも関与が疑われている。
メンバーだとするアカウントは無数

辻さんによると、ツイッターには、アノニマスを名乗るアカウントは、数万人以上フォロワーを抱える主要なものだけでも10程度は確認されていて、メンバーだとするアカウントは無数にあるということだ。
また、ツイッターと同様、ユーチューブなど複数のSNSにアカウントがある。
アカウントの1つ「ロシア政府をターゲット」

機密データ盗み取ったと主張も…

それぞれのアカウントが別々に、ロシア政府やエネルギー企業、メディアなどのサイトをダウンさせた、または機密データを盗み取ったなどといった主張を行っていて、その数は数え切れないほどだ。
関連はわからないが、ロシア政府に関連する一部のサイトは実際にダウンした。
ただ、複数の専門家によると、ダウンさせたとしているウェブサイトを調べると、ロシア国外からは接続できないものの国内からはアクセスが可能なケースがあるなど、実際に攻撃が成功しているのかどうかについては不明な点も多いという。
「情報盗んで公開するのは犯罪」

#サイバーセキュリティ/#ネットアンダーグラウンド/#戦争/#IT・ネット
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