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インフルエンザシーズン本格化! 知っておきたいポイント

2019.12.27 :

ことしもインフルエンザの季節が本格化しています。特に年末年始休みになると帰省や旅行の人が増えるほか、初詣などで混雑する場所に行く機会も増えます。
そこで今回は、インフルエンザについて知っておきたいポイントをまとめました。

インフルエンザの流行状況は?

国立感染症研究所によりますと、2019年12月22日までの1週間に全国およそ5000の
医療機関を受診したインフルエンザの患者は10万5221人で、これをもとに推計した全国の患者数はおよそ76万2000人となり、前の週からおよそ23万人増えました。1医療機関あたりの患者数は全国では21点人22人で、都道府県別でみますと、1医療機関あたりの患者数は
全国では21点22人で、都道府県別で最も多いのは▼山口県で41点46人、次いで▼宮城県が31点80人、▼埼玉県が29点57人、▼大分県が28点91人、▼愛知県が27点55人などとなっています。
この数値、毎年、ピークになると30人~50人ぐらいまで上がります。例年では1月下旬頃がピークとなりますが、今シーズンは、流行期に入るのが例年より1か月ほど早かったため、ピークも早まる可能性があります。

インフルエンザの種類は?

また、世界的な流行を引き起こすインフルエンザのウイルスにはA型とB型の2種類があります。
A型はさらに細かく分かれていて▽「H1N1型」(10年前、新型インフルエンザとして登場したウイルス)▽香港型ともいわれる「H3N2型」が現在、主流となっています。以前はAソ連型(H1N1型)というのもありましたが、今では消滅してしまいました。

ちなみにことしのシーズンはこの年末までの1ヶ月間余りは「H1N1型」が97%を占めていました。ただ、この数年、1つのシーズンで、異なるウイルスが時期をずらして広がることがあるということで、一冬に2回、かかってしまうおそれもあります。

インフルエンザはどんな病気?

かかった人は分かっているかもしれませんが、そもそもインフルエンザってどんな病気なのでしょうか。

インフルエンザは、ウイルスが鼻やのど、ときには肺に感染する病気です。ただのかぜに比べると、症状が重くなりやすいとされています。
ウイルスに感染すると、1日から3日ほどの潜伏期間のあと、38度以上の高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、全身のけん怠感などの症状が突然出てきます。

それに続いてせきや鼻水などが出て、1週間ほどで治るのが典型的な症状です。ただ、あまり熱が出なかったり、子どもでは下痢や嘔吐などの症状が出たりすることもあります。

ほとんどは安静していれば治りますが、子どもではまれに「脳症」と呼ばれる重い症状が出たり、高齢者では体力が落ちて、持病の悪化や肺炎につながったりすることもあるので、やはり注意が必要です。

どうやって感染するの?

インフルエンザのウイルスが人の粘膜に付着することで感染します。感染経路は主に次の2つです。

①飛まつ感染
患者のせきやくしゃみで飛び散った唾液などの飛まつにウイルスが含まれています。

②接触感染
患者がウイルスのついた手でドアノブなどに触れるとウイルスが付着します。別の人がそのドアノブを触ると手にウイルスがついてしまいます。
ここで重要なのはウイルスが取り込まれるのは「粘膜」だということです。
ウイルスが手についただけではなく口や目、それに鼻などを触ってしまうことで感染してしまうのです。

どう予防できるの?

写真:アフロ
それでは、どうしたら予防ができるのでしょうか。
まずは、ワクチン接種です。ワクチンを接種すると免疫が強化されますから、感染しても発症しにくくなり、発症しても重症化を防ぐことができます。
ただ、ワクチンは、効果が出るまで2週間ほどかかるため、早めの接種が必要です。

写真:アフロ
今すぐできる予防法もあります。それは手洗いです。
前述の通り、インフルエンザはウイルスがついた手で自分の顔を触ると感染します。なので、手洗いが非常に重要です。
では、どんな風に手を洗えばいいのか。
①まず、手をきれいな流水でぬらし、せっけんをつけます。流水だけより、せっけんを使った方が、より効果があるとされています。
せっけんに含まれる界面活性剤のおかげでウイルスが落ちやすくなるのもあるほか、人はせっけんを使ったほうが、より念入りにこすって洗う傾向があるからだそうです。
②せっけんを泡立てながら手をこすって洗います。
手の裏や、指の間、爪の間、それに手首も洗うのを忘れずに。
ウイルスは手のあらゆる場所についています。
どれぐらいの時間こすって洗うべきかについての研究は少ないので難しいですが、15秒から30秒洗った場合、それよりも短く洗うよりウイルスなどを減らせることを示唆した研究結果があります。
少なくとも20秒ぐらいかけて洗った方が良さそうです。
③せっけんで洗い終わったら流水でながし、きれいなタオルなどで、手を乾かします。
手がぬれていると再びウイルスがくっつきやすくなります。
手洗いのあとはしっかり乾かすことが重要です。
流水や石けんがない場合、アルコールが含まれる消毒剤も効果的です。
ただ、まんべんなく手全体にしっかりと消毒剤がつくようにしてください。

手洗い以外の予防法は。
▽まずは、手を洗うまでに、目や鼻、それに口を触ることを避けることです。
それから、 
▽ウイルスがいる可能性がある、机の表面やドアノブなどを、消毒すること。
また、
▽空気が乾燥すると、気道の粘膜を防御する機能が低下するので加湿器などで50%から60%ほどの適度な湿度を保つことも効果的です。
さらに、
▽十分な休養とバランスのとれた 栄養をとること、
そして、
▽繁華街など人混みを避けること、があげられます。

もしかかったら?①

インフルエンザにかかったらできるだけ感染を広げないよう注意が必要です。
まず、
▽人混みへの外出を控え、会社や学校に行かないこと。
▽せきやくしゃみなどの症状がある場合は、マスクを着用するなどのせきエチケットを守ってください。
マスクが無いときはハンカチなどで口や鼻を覆います。ハンカチも無いときは…。
くしゃみやせきをするときに上着の内側や袖で覆ってください。
手でおさえてしまうと手にウイルスがついてしまいます。
ちなみに何もせずにせきやくしゃみをすると飛まつは1メートルから2メートルほど飛ぶとされています。

もしかかったら?②

高熱が続く場合や意識に異常がみられる、また、呼吸がおかしいなどは、早めに医療機関を受診しましょう。
タミフルなどの抗インフルエンザ薬で急に部屋から飛び出すなどの異常行動がでるおそれが指摘されていましたが、子どもや未成年の若い人を中心に、薬を服用していなくても、異常行動が出ることがあります。
自宅で療養する場合は、少なくとも発熱から2日間は、なるべく一人にせずに、念のため、窓や玄関のドアには鍵をかけておくなどの配慮が必要です。
インフルエンザの患者はこれからさらに増え、ピークを迎える見込みです。
その後も3月ごろまでは患者が多い状態が続きますので、予防策を徹底するほか、まわりの人にも感染を広げないよう注意が必要です。
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科学文化部記者

石坂冴絵

2008年入局、初任地の京都局でiPS細胞などを取材。

千葉局を経て、2014年から科学文化部で医療担当。

大村智さんがノーベル医学・生理学賞を受賞した際には、スウェーデン・ストックホルムで授賞式などを取材。

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記事の内容は作成当時のものです

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