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文化
2019.07.23
およそ1300年前の飛鳥時代に造られた明日香村のキトラ古墳で見つかった極彩色の壁画が、23日付けで国宝に指定されました。
国宝に指定されたキトラ古墳の壁画は、石室の東西南北の壁に描かれた方角の守り神「四神」と、顔がえとの動物で体が人の姿をした「十二支」、それに天井に描かれた「天文図」からなります。
このうち同じ明日香村の高松塚古墳では、失われていた南の方角の守り神「朱雀」が良好な状態で残っていて、躍動感あふれる筆遣いで表現されています。
また、東アジアで最古とされる天文図は、金ぱくで表現した星々を朱色の線でつないでいて、古代中国の星座が描かれています。
古墳に描かれた極彩色の壁画は、高松塚古墳とキトラ古墳だけで、日本の古代の絵画史を考えるうえで不可欠な作品例だとして、ことし3月、国の文化審議会が国宝に指定するよう文部科学大臣に答申していました。
キトラ古墳の壁画は、去年、国の重要文化財に指定されたばかりで、文化庁によりますと、1年で国宝に格上げされるのは極めて珍しいということです。
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