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科学
2019.06.21
大阪の化粧品メーカーと京都大学は、保湿剤の成分を髪の毛の内部に浸透させることで自然な状態で長時間、髪型を維持する技術を開発したと発表しました。
これは、京都大学化学研究所と大阪の化粧品メーカー「マンダム」でつくる研究グループが発表しました。
現在市販されている整髪料は、髪の毛の外側に塗ることで髪型を整える仕組みで、湿気などで崩れたり、つやが出すぎたりして、自然な状態を維持するのは難しいとされてきました。
研究グループは、湿気によって髪の毛を構成するタンパク質の「水素結合」が切れて髪型が乱れることに着目し、タンパク質どうしの結合を強めることで、髪型を維持できる物質がないか調べました。
その結果、化粧品の保湿剤などに使われる「αーケトグルタル酸」を髪の毛の内部に浸透させたところ、タンパク質が「水素結合」より強力な「イオン結合」でつながり、湿気にも強く、自然な状態で長時間、髪型を維持する技術を確立したとしています。
今後、この技術をもとに新たな整髪料の開発を目指すとしています。
マンダムの占部駿さんは「自然な仕上がりと崩れにくさを両立させるのが長年の課題だったが、髪のセットに悩む人に使ってもらえるよう商品化を目指したい」と話しています。