クジャクの羽やコガネムシの体の表面などに見られる光沢を持った独特な色を作り、極めて高い解像度で印刷することに成功したと京都大学の研究グループが発表しました。

発表したのは、京都大学の伊藤真陽特定助教などの研究グループです。
クジャクの羽やコガネムシの体の表面などに見られる光沢を持った独特な色は、層状に積み重なった微細な構造に光が反射することででき、インクのように色素で表現される色とは別に、「構造色」と呼ばれています。
クジャクの羽やコガネムシの体の表面などに見られる光沢を持った独特な色は、層状に積み重なった微細な構造に光が反射することででき、インクのように色素で表現される色とは別に、「構造色」と呼ばれています。

研究グループは、ポリエチレン袋などに使われる化合物に光を当てて材質を変化させたあと、酢酸などに浸すことで層状の構造を発生させ、人工的に構造色を作り出す技術を開発しました。
光の種類や当て方を変えて、層状の構造を調整することでさまざまな色や模様が表現でき、一般的な商業用印刷の40倍の解像度で印刷することにも成功したということです。
光の種類や当て方を変えて、層状の構造を調整することでさまざまな色や模様が表現でき、一般的な商業用印刷の40倍の解像度で印刷することにも成功したということです。

極めて薄いフィルムなどの素材にも印刷でき、色あせもしないということで、包装紙の印刷や紙幣の偽造防止などにも活用できるということです。

伊藤特定助教は、紙幣の偽造防止などにも活用できるとしていて、「使う素材は安く特別な設備も必要ない。インクの代替としてもさまざまな用途への応用が期待できる」としています。
この研究成果はイギリスの科学雑誌「ネイチャー」に掲載されます。
※掲載された論文はこちらから(※NHKサイトを離れます)
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1299-8
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