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科学
2019.06.11
耳が不自由な人がコンサートやスポーツ観戦を楽しめるよう、音を振動や光に変えて伝えることができるウエアラブル端末が実用化されました。
実用化されたのは、長さが6.5センチ、重さが25グラムの端末で、ヘアピンのように髪に付けたり、耳や洋服に付けたりして使います。
内蔵された小型のマイクが拾った音を振動に変換し、髪の毛を通して振動を伝えることで、リズムや音の大きさを感じ取ることができます。また端末には音がした時に光るLEDも搭載されているため、音と光の両方で情報を伝えることができ、音の大きさは256段階に変換することが可能だということです。
この端末を利用することで、例えばコンサート会場ではリズムを感じることができたり、スポーツの会場では観客の歓声など臨場感を体感したりすることができるということです。
開発した富士通の本多達也さんは「耳の不自由な人たちに音を感じてもらい、笑顔になれる体験をしてほしいと開発しました。今後は車の音など安全な生活を手助けできるようにしたい」と話していました。
富士通では今後、端末を全国のろう学校に無料で配布するほか、映画館やスポーツ会場などで貸し出したいとしています。