太陽系にある冥王星の地下には海があると考えられていますが、地表の温度が氷点下220度の天体でなぜ凍らないのかが謎でした。
北海道大学などの研究で海を覆うようにして断熱材の役割を果たす層が存在し、極寒の天体でも凍らないことが明らかになりました。

太陽系の最果てにある冥王星については、4年前、NASA=アメリカ航空宇宙局の探査機「ニュー・ホライズンズ」が氷の層で覆われた表面の詳細な観測に成功し、天体の内部には海があると考えられています。
しかし、地表の温度が氷点下220度の極寒の冥王星では地下深くまで凍ってしまうと考えられ、なぜ海の水が凍らないのか謎に包まれていました。
しかし、地表の温度が氷点下220度の極寒の冥王星では地下深くまで凍ってしまうと考えられ、なぜ海の水が凍らないのか謎に包まれていました。

この謎を解明しようと北海道大学などの研究グループがシミュレーションを行った結果、メタンが主成分の固形物質、ガスハイドレートの層が地下の海を覆うようにして存在することが分かりました。
この層は、外側の氷の層と内側の海の間にあり、熱を伝えにくく、地表の寒さから海の水を守る断熱材の役割を果たしているということです。
今回の発見は、従来考えられなかった天体にも生命にとって好条件の海が存在する可能性を広げるものとして注目されています。
この層は、外側の氷の層と内側の海の間にあり、熱を伝えにくく、地表の寒さから海の水を守る断熱材の役割を果たしているということです。
今回の発見は、従来考えられなかった天体にも生命にとって好条件の海が存在する可能性を広げるものとして注目されています。

研究チームの北海道大学大学院の鎌田俊一准教授は「地球外の天体において海が長期間維持されるメカニズムの発見であり、今後の惑星探査などの研究に大きな役割がある」と話しています。
※掲載された論文はこちらから(※NHKサイトを離れます)
https://www.nature.com/articles/s41561-019-0369-8
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