原子力

ヨウ素剤の事前配布 対象は原則40歳未満の住民 原子力規制委

ヨウ素剤の事前配布 対象は原則40歳未満の住民 原子力規制委

2019.05.08

原子力発電所などの事故の際に服用し、甲状腺の被ばくを防ぐヨウ素剤について、原子力規制委員会は40歳以上には効果がほとんど期待できないとして、事前に配布する対象を原則40歳未満の住民にかぎり、被ばくによるがんのリスクが高い子どもなどに優先して配布することを決めました。

ヨウ素剤は原発などで事故が起きた場合、のどにある甲状腺の被ばくを防ぐために服用する薬で、国は原発から5キロ圏内の住民を中心に配布していますが、配布率が伸び悩んでいます。

こうした中、原子力規制委員会は8日の会合で、事前に配布する対象を原則として40歳未満の住民と、妊婦や授乳中の女性に限るよう指針を見直すことを決めました。

原子力規制委員会によりますと、WHO=世界保健機関がヨウ素剤の服用は、被ばくによるがんのリスクが高い子どもや妊婦を優先すべきで、40歳以上の人には効果はほとんど期待できないとしていることを受けたもので、子どもなどへの配布を重点的に行うことがねらいだとしています。

一方、不安な気持ちに応えるとして、40歳以上でも希望者には事前に配布するとしています。

このほか、仕事や学校で医師や薬剤師が立ち会う説明会に参加できない人のために薬局などで配布できることも決めました。

規制委員会は9日から1か月間一般から意見を募集し、正式に取りまとめる予定です。

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