NEWS

死の定義変わるか 死後も脳の一部機能回復 ブタで実験

2019.04.18 :

アメリカなどの研究グループが、死んだブタの脳に血液の代わりとなる液体を流したところ、脳の一部の細胞が動き始め、機能が回復しているのが観察されました。意識や感覚など、脳の高度な機能は働いていませんでしたが、死後も脳の一部が機能していたことで、何をもって死とするのか、その定義が変わることにつながる可能性もあるとして注目されています。

この研究は、アメリカのイェール大学などのグループが17日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。

それによりますと、研究グループが特殊な装置を使って、死後4時間たったブタの脳に血液の代わりとなる液体を流し始めたところ、死後10時間の時点で海馬と呼ばれる部分など脳の一部で細胞が動き、酸素やぶどう糖を消費して神経の信号の伝達に関わる部分が働いていたのが観察されたということです。

ただ、意識や感覚など脳の高度な機能は働いていなかったということです。

脳細胞は、血液が流れず酸素が供給されなくなるとすぐに破壊されると考えられていましたが、研究グループは、その過程はこれまで考えられていたより緩やかだとしています。

哺乳類のブタで死後も脳の一部で機能が回復したのが観察されたことで、将来、脳梗塞などのあとに脳の機能を維持する治療への応用が期待される一方、何をもって死とするのか、その定義が変わることにもつながる可能性があるとして注目されています。

※掲載された論文はこちらから(※NHKサイトを離れます)
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1099-1
ご意見・情報をお寄せください

アメリカ総局記者

籔内潤也

1996年入局。京都・大阪・和歌山を経て、2008年から科学文化部で、再生医療やがん、放射線の影響など医療分野を取材。2013年から長崎で事件・原爆担当のニュースデスクを経験した後、2016年にアメリカ総局(ニューヨーク)特派員。宇宙や医療などの科学分野のほか、トランプ政権で揺れるアメリカの科学、そして、日本の研究の国際的地位の低下を憂慮しながら取材。2019年、科学文化部医療担当デスクに。

籔内潤也記者の記事一覧へ

記事の内容は作成当時のものです

NEWS一覧に戻る