科学と文化のいまがわかる
原子力
2019.03.28
福島第一原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料の取り出しに向け、東京電力は来年度、1号機の格納容器内部の調査を行う計画で、調査で使われるロボットが公開されました。
福島第一原発の1号機では、これまでの調査で2号機と3号機で確認された溶け落ちた核燃料と構造物が混ざり合った「燃料デブリ」とみられる堆積物が確認できていません。
28日、茨城県日立市のメーカーの工場で、来年度、1号機の調査で使われる潜水機能付きのボート型のロボットが公開されました。
ロボットは長さおよそ1m10cm、直径25cmの円柱状で、カメラや線量計が付いています。
遠隔操作に必要なケーブルを格納容器の中に通すための部品を取り付ける役割があり、試験用の施設でロボットを動かす様子も公開されました。
調査では、超音波による堆積物の厚さの測定など、目的に応じて異なる機能をもつ合わせて6種類のロボットが使われる予定です。
調査は来年度前半に始まる予定で、少量の堆積物をサンプルとして採取することも目指しています。
日立GEニュークリア・エナジーの野中善夫さんは「デブリを取り出す計画を立てるための全体像の把握にこのロボットを活用したい」と話していました。