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科学
2019.03.14
日本天文学会は、天文学や暦学に関する国内の貴重な史跡や文献を「日本天文遺産」として認定する制度をことしから始め、第1回目は福島県にある江戸時代の天文台跡など2件を選びました。
日本天文学会は13日会見し第1回の「日本天文遺産」に、福島県会津若松市にある江戸時代の天文台跡、「会津日新館天文台跡」と、京都市にある冷泉家時雨亭文庫が所有する藤原定家の日記、「明月記」の2件を選びました。
「会津日新館天文台跡」は江戸時代につくられたいまも現存する唯一の天文台跡で、暦学などの研究が行われ、現代の天文台とは異なる構造を残す点などが評価されました。
また藤原定家の「明月記」は鎌倉時代に書かれたもので、恒星が大爆発を起こす「超新星爆発」や日食などが詳しく記載されていて古い時代の天文現象を知ることができる貴重な資料となっています。
日本天文学会の柴田一成会長は、「日本には天文学に関係した古い遺産がたくさんあり、次世代に残すことはわれわれの責任だ。遺産の認定をきっかけに天文学がさらに発展していくことを期待したい」と話していました。