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医療
2019.03.01
平日の睡眠不足を週末に補う、いわゆる「寝だめ」の効果について、アメリカの研究チームが実験して調べたところ、睡眠不足を十分補えず、効果がないことが分かったとしていて、ふだんから1日7時間の睡眠をとるよう勧めています。
この研究は、アメリカのコロラド大学の研究チームが28日、科学雑誌「カレント・バイオロジー」に発表しました。
研究チームは、18歳から39歳までの肥満ではない男女36人を、9時間の睡眠時間をとるグループ、5時間しか寝ないグループ、それに平日は5時間寝て、週末の2日間好きなだけ寝てもよい「寝だめ」をするグループに分けて、9日間、観察しました。
その結果、「寝だめ」をするグループの人たちの睡眠時間は、週末に好きなだけ寝てもよいとは言うものの、1日あたり1時間程度しか増えませんでした。
その一方で平日には眠りに就く時間が遅れ、睡眠不足を十分、補えないことがわかりました。
また、「寝だめ」をする人たちは、日中起きている時間が多いことから、間食が増え、最大で体重が1.3キロ増加したほか、糖尿病のリスクも高くなるなど、かえって悪影響があると指摘しています。
研究チームでは、この研究結果から、寝だめには効果がないことが分かったとしていて「テレビやスマホを見る時間を減らし、ふだんから少なくとも1日7時間の睡眠をとるべきだ」と勧めています。
※掲載された論文はこちらから(※NHKサイトを離れます)
https://doi.org/10.1016/J.CUB.2019.01.069