文化

芥川賞と直木賞の贈呈式 受賞した3人が抱負を語る

芥川賞と直木賞の贈呈式 受賞した3人が抱負を語る

2019.02.21

第160回芥川賞と直木賞の贈呈式が21日夜、東京で開かれ、受賞した3人の作家が喜びや今後の抱負を語りました。

東京 千代田区で開かれた贈呈式には、出版関係者を中心に1000人余りが集まり、まず、受賞した3人に記念品の懐中時計と賞金の目録が手渡されました。

このあと3人があいさつし、それぞれ、自身の小説を引き合いにしながら受賞の喜びや抱負を語りました。

仮想通貨をテーマにした作品、「ニムロッド」で芥川賞を受賞した上田岳弘さんは「この先50年はどういうことが起こるのか。急激に変わっていく気がして不安もあるが、作家として書けるのではとワクワクしている。小説でも書いたように誰でも心の隅に根源的な衝動を抱えていて、僕もそれがなくならないかぎり書いていきたい」と決意を述べました。

また「1R1分34秒」で芥川賞を受賞した町屋良平さんは「登場人物のボクサーは、ボクシングが好きで続けたいという気持ちだけでは乗り越えられない壁にぶち当たった。自分も小説を書き続けていくと『傲慢さ』が出てくるかもしれないが、それにきちんと向き合って書き続けていきたい」と話していました。

そして「宝島」で直木賞を受賞した真藤順丈さんは「登場人物のように、間違いを恐れず、フェンスを越えて小説をつかみ取りに行くようなそういう書き手になりたいと思っている。書くことで、次の世代、新しい時代の書き手の燃料、肥やしになれればこんなにうれしいことはありません」と、創作への思いを語りました。

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