科学

去年の世界平均気温 観測史上4番目の暑さ 温暖化傾向続く

去年の世界平均気温 観測史上4番目の暑さ 温暖化傾向続く

2019.02.07

去年の世界の平均気温は観測史上4番目の高さだったとアメリカの政府機関が発表しました。上位5位までを去年までの5年間が占めていて、地球温暖化に歯止めがかかっていない現状が改めて示されました。

アメリカのNOAA=海洋大気局とNASA=航空宇宙局は6日、去年、世界各地で観測された気温のデータの分析結果を発表しました。

それによりますと、去年の世界の平均気温は14.69度で、20世紀を通した平均気温と比べて0.79度高く、記録がある1880年以降で4番目の暑さとなりました。

これまでで最も暑かったのは2016年で、上位5位までを2014年から去年までの5年間が占め、温暖化に歯止めがかかっていないことが改めて示されました。

また、極端な気象現象による自然災害も相次ぎ、アメリカだけでも南部のハリケーンや西部カリフォルニア州の山火事など被害額が10億ドル、日本円にして1100億円を超える災害が14にのぼったということです。

トランプ大統領は「温暖化を信じない」と述べるなど対策に否定的ですが、データをまとめた研究者は「温暖化が起きていることは疑いようがない。これまでにない量の雨が降るなど、地域レベルで影響が出ている」と述べ、警鐘を鳴らしています。

また、例年、気温のデータは1月に発表されますが、政府機関が1か月余り閉鎖した影響で今月にずれこみ、思わぬ形で政治の影響を受けることになりました。

国連「温暖化対策 世界規模で加速を」

国連の報道官は記者会見でグテーレス事務総長の声明を読み上げ、「年間の平均気温が上がり続ける傾向を変えるには地球温暖化対策を世界規模で加速させなければならない」として、温室効果ガスの排出量を2030年までに、2010年と比べて45%削減する必要があると強調しています。

そのうえで声明は「事務総長はことし9月23日に地球温暖化対策サミットを主催する。そのねらいはパリ協定の目標達成に向けた国際社会の政治的な意志を高め、気温の上昇を抑えるための具体的な行動を促すことだ」としています。

国連が、温暖化のデータの発表に合わせて半年以上先となるサミットについて具体的に説明したのは地球温暖化対策が思うように進んでいないことに対するグテーレス事務総長の強い危機感の表れとみられます。

ご意見・情報 お寄せください