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インフルエンザの患者数 過去最多に

2019.02.01 :

流行が続くインフルエンザは、先月27日までの1週間に報告された患者数が、1医療機関当たり57.09人と、統計を取り始めた平成11年以降、最も多くなりました。全国の推計の患者数はおよそ222万6000人で、厚生労働省は手洗いや、マスクの着用など、感染対策の徹底を呼びかけています。

厚生労働省によりますと、先月27日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、1医療機関当たり57.09人と、統計を取り始めた平成11年以降、最も多かった去年2月の54.33人を超えて最多となりました。
これを元に推計した全国の患者数は、前の週より10万人ほど増えておよそ222万6000人となりました。

都道府県別の1医療機関当たりの患者数は、埼玉県が84.09人、新潟県が77.70人、千葉県が73.00人、宮城県が69.81人、神奈川県が67.94人などとなっていて、すべての都道府県で警報レベルを超えています。

検出されているウイルスは主に2種類で、10年前に「新型インフルエンザ」として世界的に流行したH1N1型と呼ばれるタイプと、A香港型と呼ばれるタイプがそれぞれおよそ半数を占めているということです。

厚生労働省は流行の拡大が続いているとして、手洗いや、マスクの着用のほか、発熱など体調の異変を感じたらできるだけ外出せずに休養したり、医療機関を受診したりするよう呼びかけています。

根本厚生労働大臣は閣議のあと、記者団に対し、「厚生労働省としては、状況を引き続き注視する。国民の皆様には、外出の際の手洗いなど予防に努めるとともに、具合が悪い場合は早めに医療機関を受診するようお願いしたい」と述べました。

ことしは高熱が特徴

ことしのインフルエンザについて、専門家は、高い熱がでる傾向があると指摘していて、主に子どもで、40度程度の熱が出てけいれんなどが継続的に起きる場合や、41度以上の激しい高熱が出た場合はすぐに医療機関を受診してほしいと呼びかけています。

小児医療が専門で、インフルエンザに詳しい自治医科大学の小坂仁教授は、ことし多くの患者を診察したということですが、例年よりも39度以上の高熱がでる患者が多い傾向があるといいます。

そのため、主に子どもで、「熱性けいれん」のほか、熱による「せん妄」と呼ばれる意識障害などが年明けから増えているということです。

インフルエンザで高い熱が出ている時にけいれんが短い間隔で何度も続く場合や、意味不明な言動が続く場合は「熱性けいれん」や「せん妄」が疑われるので病院で診察を受けてほしいとしています。

さらに、悪化すると「インフルエンザ脳症」になるおそれがあるとしています。

「インフルエンザ脳症」では、症状が出て1日から2日という短期間に症状が悪化し、意識障害が続くなどの重い症状がでるとされています。
小坂教授は「熱が出ただけで焦る必要はないが、主に子どもで、40度程度の熱が出て、けいれんや意味不明な言動などの症状が継続的に見られる場合や、41度以上の激しい高熱が出た場合はインフルエンザ脳症などが疑われる場合があるので、迷わず、すぐに医療機関を受診してほしい」と話しています。

専門家「1度かかっても安心できない可能性」

今シーズン、インフルエンザの患者が多くなっていることについて、東北大学の押谷仁教授は「昨シーズンは、例年よりもB型のインフルエンザが流行したため、相対的にA型に感染する人が少なかった。このため、今シーズンは、A型に対する抵抗力のない人が多く、2種類のA型のインフルエンザが流行したのではないか」と分析しています。

そのうえで、「1つのシーズンに2種類のA型のインフルエンザウイルスが同時に流行するのは珍しいことで、ここ20年ほどなかったパターンだと記憶している。昨シーズンはB型が流行した特異なシーズンだったが、2年続けて珍しい状況になっている。流行している2種類のウイルスは同じA型であっても、性質が少し異なるため両方のウイルスに感染するおそれもあり、1度かかったからといって安心できないかもしれない」と指摘しています。

さらに、今後の見通しについて「流行は少なくとも数週間は続き、患者がさらに増える可能性もある。ことしは通常の流行パターンとは異なるため、重症化やさらなる流行の拡大など、さまざまなリスクを考えて、手洗いやマスクの着用の徹底など予防に努めて、警戒を怠るべきでない」と注意を呼びかけています。

神戸では院内感染で1人死亡

神戸市の市立病院で先月下旬以降、入院患者など10人がインフルエンザに感染し、このうち70代の男性患者1人が死亡しました。病院は、この患者はもともと容体が悪く、インフルエンザが直接の死因ではないとしています。

院内感染があったのは、神戸市長田区の「神戸市立医療センター西市民病院」で、病院によりますと、先月27日に入院患者の1人がインフルエンザを発症しました。

翌日には、同じ部屋に入院していた70代の男性患者もインフルエンザに感染し、31日になって肺炎などのため亡くなったということです。

病院は、この患者はもともと容体が悪く、インフルエンザが直接の死因ではないとしています。

病院では、最初の感染者を隔離して、同じ部屋の患者にインフルエンザの治療薬を予防的に投与しましたが、1日までに亡くなった男性を含めて患者7人と職員3人の合わせて10人が、インフルエンザに感染したということです。

病院は感染経路を調べるとともに、入院患者の面会を禁止するなどの感染防止策をとっているということです。

病院の重松裕幸医事課長は「患者が亡くなったことを重く受け止めている。一層、感染への注意を払っていきたい」と話しています。
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