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ガソリン補助金 少しは安くなる?

政府はガソリン価格がおよそ13年ぶりの水準となる1リットルあたり170円を超えたことで、石油の元売り会社に補助金を出すという異例の対策に乗り出します。この対策でガソリン価格、少しは安くなるのでしょうか。エネルギーを担当する西園興起記者、教えて!

先日、ガソリンを入れにいったらディスプレーの価格表示の部分が高速回転しているように感じましたが気のせいですか?

西園記者

ガソリンのレシートを見てため息をつく人が増えているのではないでしょうか。

1月24日時点のレギュラーガソリンの小売価格の全国平均は1リットルあたり170.2円となりました。

170円を超えたのはおよそ13年4か月ぶりのこと。

価格表示の数字が早く回転すると感じるのも無理ないですね。

政府がガソリン価格の上昇を抑えるため、石油元売り会社に補助金を出すと聞きました。

西園記者

発動の基準となるのはレギュラーガソリンの小売価格の全国平均です。

これが1リットルあたり170円を超えると補助金支給の条件を満たすことになります。

どのような仕組みなんですか?

西園記者

ちょっと複雑です。

2つのルールがあります。

①170円を超えた分、170円との差額を補助します。

②石油元売り会社がガソリンスタンドに卸すときの卸売価格がありますが、その値上がり分も補助します。

石油元売り会社は毎週水曜日にこの卸売価格を決めるんですが、どうやって決まるかというと、その前の週の原油価格が反映されるんです。

それが値上がりしていればその分も補助金を出しましょうという仕組みです。

なんだか難しいですね。

西園記者

1月27日以降に適用される今回のケースで説明します。

レギュラーガソリンの小売価格の全国平均は1リットルあたり170.2円。

①のルールで補助額は0.2円となります。

そして、②のルールで前の週の原油価格の上昇によって卸売価格が影響を受ける分が3.2円となります。

あわせて1リットルあたり3.4円分をまず、石油元売り会社がいわば立て替え払いの形で値下げして卸して、事後精算で政府が補助することになります。

この対策でガソリン価格、安くなるのでしょうか?

西園記者

一定程度価格を抑える効果が期待されています。

ただ、あくまで小売価格を判断するのはガソリンスタンドです。

確かに近くのガソリンスタンドでも場所によって価格が違いますよね。

どうして違うんでしょうか。

西園記者

いろんな要因があります。

例えばよく言われるのが製油所からの距離です。

ガソリンを精製する製油所から遠いガソリンスタンドは運搬コストがかかり、その分、小売価格も高くなる傾向があります。

また、大きな国道沿いでガソリンスタンドが競合しているところでは顧客獲得のため、ライバルよりも価格を下げようとしがちです。

逆に過疎地で近くにガソリンスタンドがないとこうした値下げ競争は起きにくいですよね。

そうすると対策の効果はばらつきが出そうですね。

西園記者

そうですね。

地域事情や競争環境による違いが大きそうですね。

さらに地下タンクの在庫回転率を指摘する声もあります。

なんでしょう?

西園記者

ガソリンスタンドは地下にタンクがあってそこにガソリンをためているわけですが、幹線道路沿いにあるようなスタンドはガソリンがどんどん売れるので在庫の回転率が高い。

タンクのガソリンが早くなくなるので、そこに今回の補助を受けたガソリンが入れば小売価格は下げやすくなります。

なるほど。

回転率が低いガソリンスタンドはその逆ですね。

西園記者

過疎地にあってガソリンの売れ行きがそれほど早くないところは在庫の回転率が低く、先週以前に仕入れた、補助を受けていないガソリンが残っていることになり、店舗からすると値下げはしにくい環境にあるということになります。

この対策はいつまで続くのですか?

西園記者

政府はガソリン価格高騰への緊急対応として、3月末までの時限的な措置だと説明しています。

しかし、4月以降も原油価格の高止まりが続けばどうするのか、政府は難しい対応を迫られそうです。

ガソリン価格が安くなるのであれば消費者にとってはありがたいですが、もとの原油高が収まらないとどうにもならないですよね。

西園記者

そのとおりですね。

専門家のあいだではエネルギーは暮らしや経済を支えるうえで必要不可欠な物資だから市場任せにしておくわけにはいかないとこの政策を評価する意見もあります。

一方、原油高、資源高を受けてさまざまな商品や食品が値上がりする中で、なぜガソリンや灯油だけを補助金の対象にするのか、不公平ではないかという批判的な見方や、さまざまなモノの価格に政府が介入しすぎることを警戒する意見もあります。

原油高は日本だけの現象ではなく、産油国の状況やウクライナ問題などの国際政治情勢、それにアメリカの金融政策の行方といった、さまざまな要因が複雑にからんでいます。

答えは簡単に見つかりそうになく、当面は節約の日々が続きそうです。