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知っておきたい“地価調査” コロナの影響は?

全国の土地の価格を調べた「都道府県地価調査」が9月21日、公表されました。土地を取り引きする際の目安としても使われている大事な調査で、今回は、新型コロナウイルスの感染拡大後、2回目となります。最新の地価はどうなっているの?
そこから何が見えてくる?
永野解説委員が解説します。

そもそも「都道府県地価調査」ってなんですか?

永野解説委員

毎年7月1日時点の全国の土地の価格を調べるものです。「国土利用計画法施行令」という政令に基づいて都道府県が基準地1平方メートル当たりの価格を調査し、国土交通省がまとめて毎年この時期に公表しています。昭和50年から40年以上にわたって続いていて、ことしの基準地の数は2万1400余りに上ります。調査結果は土地取引の目安にもなりますし、景気の動向を映し出すとされているため、注目度が高いんです。

今回の地価調査の結果を教えて下さい。

永野解説委員

引き続き新型コロナの影響を受けています。全国的に土地の需要が低迷していることで、「住宅地」「商業地」「工業地」などをあわせた地価は、全国平均で去年に比べてマイナス0.4%と、2年連続で下落しました。ただ、用途別では、「商業地」の下落幅が拡大したのに対し、「住宅地」の下落幅は逆に縮小したんです。

どういうことか、まず「商業地」から見ていきましょう。
商業地は店舗やオフィス向けなどの土地を指しますが、地価の全国平均はマイナス0.5%で、2年連続の下落でした。去年はマイナス0.3%でしたので、下落幅が0.2ポイント拡大しました。新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が繰り返され、飲食店は客足が遠のき、閉店も相次いでいます。オフィスも縮小や移転の動きが出ていて、商業地の下落幅の拡大につながりました。

一方の住宅地は、なぜ下落幅が縮小したんですか?

永野解説委員

住宅地も新型コロナの影響を受けていますが、こちらは「住宅需要の持ち直し」につながっているとみられるからなんです。感染拡大によって仕事のしかたが大きく変わり、在宅勤務が定着しています。不要不急の外出は控えられ、“巣ごもり”ということばが表すように、より多くの時間を家の中で過ごすようになりました。

不動産調査会社「東京カンテイ」の井出武上席主任研究員によりますと、これらを背景に、子育て世帯を中心としてマンションや戸建て住宅を取得するニーズが強まっているということです。
住宅地の全国平均は、バブル崩壊後30年連続で下落が続いていますが、下落率は去年のマイナス0.7%からことしはマイナス0.5%に縮まりました。
最新の地価から「私たちのライフスタイルの変化」が見えてきますよね。

新型コロナの影響が長引いていますが、今後の見通しってどうなんでしょう?

永野解説委員

井出上席主任研究員は、「感染状況によって変わってくる」としたうえで、住宅地は持ち直しの傾向をたどる一方、商業地は需要の弱い状況が当面続くのではないかと見ています。
飲食や宿泊といったサービス業は、外国人旅行者を含めて、今後どこまで客が戻るかがカギになります。そして、オフィスは「企業の価値観の変化」に要注目です。利便性の高い場所に大規模なオフィスを構える傾向が、コロナ禍で変わりつつあります。社員の働き方はコロナ前には戻らないと判断し、大規模オフィスからの転換を図る企業も相次いでいて、こうした動きが地価にどのように影響してくるかがポイントです。