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サンマがことしもとれない!? どうなってるの?

秋の味覚、サンマ。しかし、ここ数年、不漁が続いています。ことしこそ、安くておいしいサンマが食べたい。そんな人も多いのではないでしょうか。しかし、どうやらことしも不漁が続く見通しです。いったい、どうなっているの。岡谷宏基記者教えて!

ことしもサンマがとれないと最近よくニュースで聞きます。どんな状況なのでしょうか。

岡谷記者

サンマの漁は、例年8月以降、小型船から始まり、中型船、大型船の順に進んでいきます。ことしも8月下旬に主力の大型船が出港し、いよいよ本格的な水揚げシーズンが到来するはずでした。しかし、8月26日、全国一の水揚げ地である北海道根室市に戻った大型船の初水揚げは6トン。去年のわずか1%にとどまりました。大型船の船主は「これだけサンマがとれないのは初めて。このままでは、われわれの経営はもちろん、業界全体が大変な状況になってしまいます」と話していました。

サンマは、去年も不漁でしたよね。その去年よりもよくないのでしょうか・・・?

岡谷記者

残念な話ですが、ことしは過去最低だった去年の漁獲量の4万5000トンをさらに下回る可能性も指摘されています。これは、国立の研究機関「水産研究・教育機構」がことし6月から7月にかけて、北太平洋で行った調査をもとにサンマの分布を示した図です。「○」が大きければサンマが多く分布し、「×」はサンマがいないことを示しています。

ことしは、新型コロナウイルスの影響で調査を縮小したため、例年より精度が低いとも言われていますが、去年よりも○が少ないことが分かります。

ほとんどいないですね・・・。

岡谷記者

そうなんです。この調査範囲にいるサンマがこの夏以降、日本周辺の海域にやって来ます。「水産研究・教育機構」はことし日本周辺に来るサンマの量は去年を下回り、「極めて低調に推移する」と予想しています。三陸沖まで南下するのも例年より1か月遅く、10月下旬ごろになる予測です。しかも、小ぶりなサンマが多くなりそうだということです。ことしは、量も少なく、取れる時期も遅く、小ぶりという、いわば3重苦ともいえる状況です。

そうすると、やはり価格にも跳ね返ってきますよね?

岡谷記者

そうなってしまいそうです。8月26日に根室で水揚げされたサンマは、1キロ当たり高いもので3900円。去年の初水揚げの6倍以上の価格で取り引きされました。サンマの大きさにもよりますが、都内の鮮魚店では1匹500円ほどで販売されているものもありました。今後、漁が進めば価格は下がってくるでしょうが、以前のようにお手ごろな価格では手に入らないかもしれません。

庶民の魚と言われたサンマも、高級魚になりかねないですね・・・。しかし、なぜサンマはこんなにとれないんでしょうか?

岡谷記者

海の潮流や水温の変化、同じ餌を食べるマイワシの増加などが影響していると言われていますが、原因ははっきりと分かっていません。その中で要因の1つと指摘されているのが、日本を含め各国がサンマをとりすぎていることです。30年ほど前までは日本が世界の漁獲量のほとんどを占めていました。しかし、和食の広がりなどを背景に日本以外の国や地域で人気が上昇。去年の漁獲量は台湾(8.3万トン)と中国(5.1万トン)が日本(4.5万トン)を上回っています。資源量の減少を懸念する日本政府は国際会議で漁獲量の規制を強化しようとしています。現状では加盟する国と地域全体の漁獲量の上限は設けられていますが、日本としてはそれぞれの国や地域ごとに上限を設定したい考えです。秋の味覚を手ごろな価格でこれからも味わいたい。そんな声に応えるためにも国際的な資源管理は待ったなしの状況です。