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家賃支援給付金 くわしく教えて!

新型コロナウイルスの影響を大きく受けている事業者への支援として、新たに「家賃支援給付金」が導入されます。今月14日が申請の受付開始ですが、どんな場合に給付金が受けられて、どういう準備が必要なのでしょうか?経済産業省で中小企業政策の取材を担当する永田真澄記者、教えて!

行きつけの飲食店の店主が「売り上げが戻らないので店の家賃の負担が重い」と話していました。家賃支援給付金で、その店も支援を受けられるのでしょうか?

永田記者

対象は、資本金が10億円未満の中堅・中小企業や、フリーランスを含む個人事業主のほか、医療法人や農業法人、NPO法人、社会福祉法人など幅広い事業者が含まれます。飲食店などの店舗はもちろん、オフィスの賃料や農地の地代も対象です。

一方、親族間の賃貸や、いわゆる「また貸し」は対象にはなりません。

さらに、事業者の売り上げ減少の程度にも要件があります。ことし5月から12月の間に、ひと月の売り上げが去年の同じ月と比べて50%以上減ったか、連続する3か月の売り上げの合計が去年の同じ時期と比べて30%以上減っていることが要件です。

どれくらいの金額が支給されるのですか?

永田記者

申請する時の直近に支払った月額賃料をベースに、支給額の計算のしかたが定められています。例えば、月額賃料が30万円の場合、30万円×2/3×6=120万円が支給額となります。

月額賃料が高額な場合は別の計算方法になりますが、支給額は法人の場合で最大600万円、個人事業主の場合で最大300万円。これが一括で支給されます。

結構まとまった金額が支払われることになるんですね。どうやって申請するんですか?

永田記者

原則として、オンラインのみで申請を受け付けます。事業者は、パソコンやスマートフォンで専用ホームページから申請することになります。

入力に必要なのは、
(1) 法人番号や設立日、資本金や従業員数、住所や連絡先、給付金の振込先口座といった基本情報
(2)売り上げの金額
(3)土地や建物の貸主の名前、管理会社の名前、契約の締結日や期間、賃料や管理費、直前の1か月に実際に支払った賃料などです。

書類として必要になるのは、
(1)2019年分の確定申告書の控え
(2)法人事業概況説明書の控え
(3)e-Taxで確定申告した場合の受信通知
(4)申請にもちいる売り上げが減った月・期間の売り上げ台帳など
(5)賃貸借契約書の写し
(6)直前3か月分の家賃の支払い実績を示す、通帳のコピーや振り込み明細書などです。

この給付金が支給されるのを待っている事業者も多いと思いますが、申請から支給までどれくらい時間がかかるんでしょうか?

永田記者

経済産業省は、「事前に目安を示すのは難しい」としています。なるべく迅速に審査するとはしていますが、2週間程度とされている「持続化給付金」よりも長い時間がかかりそうです。

例えば、管理費や共益費は、賃料を規定した契約書に盛り込まれている場合には支給の対象になりますが、別の契約書に規定されている場合には対象にはなりません。賃料とまとめて支払うこともある修繕費、保険料、光熱水費、テナント会費といった費用も対象外です。審査ではこうした内容を細かくチェックして支給額を確定させる必要があります。

なかなか複雑ですね…。「持続化給付金」では、申請から支給まで時間がかかりすぎるといった指摘もありました。大丈夫なんでしょうか?

永田記者

持続化給付金についての不満の中でも多かったのが、申請したあとのフォローアップです。申請したあと、審査の進捗(しんちょく)やいつ支給されるかといった見通しが一切示されないため資金繰りの計画が立てられなかったり、不安になって2度申請したりする人も続出しました。

このため、今回は申請後に「マイページ」で、審査がどういう段階にあるか確認できるよう改善するとしています。想定される申請件数は250万に上ると見込まれ、特に初日の14日はアクセスが集中することも予想されています。

この家賃支援給付金は当初は6月中の受付開始を目指していましたが詳しい制度設計に時間がかかり、スタートが遅れる形になりました。支援を待ちわびる事業者の期待にこたえるため、迅速で丁寧な対応が求められます。