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緊急事態宣言 カフェって「不要不急」?

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は4月7日、東京・大阪など7都府県に緊急事態宣言を出しました。しかし大手コーヒーチェーンでは、営業を続けるのか、休業するのか、対応が分かれました。カフェって「不要不急」なのでしょうか?取材班の橋本剛記者に聞きます。

そもそも、緊急事態宣言が出ている中で、カフェに行ってもいいんでしょうか?

橋本記者

実は、国の方針では、「喫茶店」は、営業OKなんですよ。緊急事態宣言に合わせて政府が改定した「基本的対処方針」では、宣言後も、継続すべき事業として、インフラの運営、生活必需品の供給、ごみ処理などと並んで、「喫茶店」も明記されています。方針では不要不急の外出は強力に自粛を要請するとしていますが、「喫茶店」は「自宅などで過ごす国民が必要最低限の生活を送るために不可欠なサービス」と位置づけました。喫茶店やカフェは宣言が出た後も営業を続けていいという、「お墨付き」を得た格好です。

でもカフェは飲食だけでなく友人との会話や読書を楽しむ人もいますよね。それは「不要不急の外出」にはあたらないのでしょうか?

橋本記者

確かに東京都の小池知事は、「不要不急の外出」について、「その日でないとだめな用事かどうか」を基準に判断してほしいと呼びかけています。また感染拡大のリスクという点でも、政府の方針では営業を続ける事業者には、いわゆる「3つの密」を避ける対策を求めています。ですから、少なくとも、混雑している店内で飲食することや、複数の人と長時間おしゃべりするような行為はおすすめできません。

そうなると政府のお墨付きがあったとしても、カフェの営業を続けていいのか、意見が分かれるかもしれませんね?

橋本記者

そうですね。緊急事態宣言が出される前、ある大手コーヒーチェーンの担当者に話を聞くと、カフェに行くことは「不要不急の外出」とされてしまうのか、とても気にしていました。

SNS上でも「近所の喫茶店が混んでいて危機感がない」とか、「従業員だけど、こんなときに店を開くのか」など、カフェが営業を続けることに否定的な意見も見られました。

街で休業しているカフェも見かけましたが、大手コーヒーチェーン各社はどうしているのでしょうか?

橋本記者

実は営業を続けるのか、休業するかで対応が大きく分かれました。まず国内の店舗数トップのスターバックスです。非常事態宣言の対象地域である7都府県(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・福岡)の店舗を、9日から原則として休業することを決めました。また、ドトールも8日から7都府県の直営店を休業しています。これに対して、コメダ珈琲店は、入居する商業施設によって臨時休業する場合があるとしながらも、時間を短縮し、できるかぎり営業を続ける方針を示しました。またタリーズも、7都府県のおよそ450店舗のうち、3分の1は休業しますが、残り3分の2では、時間を短縮しながら営業を続けることにしています。

なぜ判断が分かれたのでしょうか。

橋本記者

休業に踏み切った、スターバックスとドトールは、利用客や従業員の安全確保のほか、政府や自治体による外出自粛要請への貢献などを理由に挙げています。一方、営業を続けるコメダ珈琲店やタリーズは、飲食や憩いを提供するカフェのニーズに応えることを理由に挙げています。もちろん営業する上では、お客さんどうしの間隔をあけたり、定期的に店内の換気や消毒を行うなどの対策を徹底しているとしています。タリーズの担当者は、「ライフラインやインフラなどに携わるお客様が多い店舗もあり、ニーズに応える必要がある」と説明しています。

「安全の確保」と「ニーズへの対応」。どうバランスをとるのか、難しいですね…。

橋本記者

外食産業の市場調査などを行っている業界団体の日本フードサービス協会は、「営業を続けるかは各社の経営判断なので評価は難しい」としています。そのうえで、「軽食を提供するカフェは、緊急事態宣言のもとでも事業の継続が求められている食堂やレストランと同じ位置づけです。仕事など必要な用事で外出した際には、利用していただいていい。カフェには、食のインフラを守るだけでなく、人の心を楽しませてくれるという役割もある」とその重要性を指摘しています。営業継続と休業、そのどちらが正しいとも、簡単には言い切れない問題ですが、もし、街で開いているカフェを見かけて、「入ろうかな」と思ったときは、「不要不急」や「3つの密」を考えて行動することが必要なのは言うまでもありませんね。