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原油が高騰!トイレの紙は大丈夫?

サウジアラビアの石油関連施設への攻撃で世界的に原油の供給が滞るのではないかとの懸念が強まっています。実は、原油を海外に依存する日本では、今から40年以上前の1973年に起きた石油危機でパニックが起き、トイレットペーパーの買い占めに発展する事態となったことがあったんです。
そんなトイレットペーパー、今回は大丈夫なのでしょうか?経済部で製紙業界の取材を担当している白石明大記者に聞いてみます!

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トイレットペーパーの買い占めがあったなんて知りませんでした。でもなぜ原油が値上がりするとトイレットペーパーが足りなくなるという話になったんですか?

白石記者

情報がめぐりめぐってパニックになった、ということのようです。

当時の出来事を整理すると、1973年10月に起きた第4次中東戦争に端を発して原油価格が急騰しました。1973年は当初1バレル=2ドル台だったのが、1974年には1バレル=11.6ドルまで急上昇しました。

独立行政法人経済産業研究所が出版している「通商産業政策史」によりますと、この当時、トイレットペーパーを生産する紙パルプ産業では、紙をつくる際、溶かした原料を乾かすために燃料として用いていたのが重油だったのです。

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原油が値上がりすれば、めぐりめぐってトイレットペーパーの供給が足りなくなるのではないかという不安が消費者の間で広がり、パニック的にトイレットペーパーの買い占めに殺到し「店頭からトイレットペーパーが姿を消す異常な事態が生じた」とされています。

なるほど、では今回の原油価格の上昇でも、そんな心配があるんでしょうか?

白石記者

今回、サウジアラビアで起きた石油関連施設への攻撃による原油価格の急騰について製紙業界の関係者は、トイレットペーパーの不足につながることはないと冷静に受け止めています。

トイレットペーパーを生産している製紙大手の大王製紙によりますと、愛媛県四国中央市にある主力工場では紙の生産に使用する燃料は、重油から石炭やバイオマス燃料に切り替えて、重油に依存しない生産を行っているということです。

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業界団体の日本製紙連合会によりますと、紙をつくる際のエネルギーの割合も、重油は2005年の調査で20.4%だったのが、2017年には5.9%まで下がっています。

当時よりも影響が少ないということですね。消費者にその点が伝わっていればいいのですが。

白石記者

実は日本製紙連合会によりますと、1973年の買い占め騒動の当時も、紙の生産量自体は減っていなかったそうなんです。そのため、消費者が家庭で備蓄するために大量購入するなどしない限りはトイレットペーパーが不足することは無かったのではないかと話していました。

今回の原油価格の上昇でも、供給には心配は要らないと話しているので、消費者も冷静に行動する必要がありそうですね。