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「CASE」って何ですか?

「CASE」って聞いたことありますか?トヨタ自動車とスズキが、関係を一段と強くするために互いに株式を持ち合う資本提携に踏み切ることを発表しました。背景には「CASE」が関係しているようなんですが…。名古屋放送局でトヨタの取材を担当している山田賢太郎記者に聞いてみます。

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なぜトヨタとスズキというビッグネームがいま、資本提携することになったのですか?

山田記者

それは100年に1度の大変革期に対応するためです。キーワードは「CASE」。4つの英単語の頭文字をとったものです。

Connected(コネクテッド)…ネットでつながる車
Autonomous(オートノマス)…自動運転
Sharing(シェアリング)…車を所有しないカーシェアリング
Electric(エレクトリック)…電動化

この「CASE」に対応できるかどうかが今後の経営の分かれ目になると言われています。トヨタとスズキを資本提携に突き動かしたのは、大きな変化の荒波を乗り越えなければならないという強い危機感です。

100年に1度って大げさではないですか?

山田記者

アメリカで車の大量生産が始まったのが約100年前。それからずっと自動車の会社と言えば、自動車メーカーでしたよね。

それが最近は、グーグルやアップルといったアメリカの巨大テック企業が自動運転に参入し、技術開発を一気に進めています。

私たちの生活や街の姿を大きく変えることになる自動運転の技術は、未来の車づくりのカギを握っています。それだけにグーグルの参入は、自動車メーカーにとっては大きな衝撃でした。

カーシェアリングなどでも多くの動きがあります。トヨタの豊田章男社長も2017年の記者会見で「100年に1度の大変革の時代」と表現していました。全く大げさではないと思います。

急接近に見えましたが、何か兆しはあったのですか?

山田記者

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トヨタ自動車 豊田章男社長(左) スズキ 鈴木修会長(2017年)

トヨタとスズキは、2年前に幅広く協力していこうと、業務提携を結びました。

世界的に環境規制が厳しくなる中で、トヨタが得意としているハイブリッド車の技術をスズキに提供すること。スズキが約50%のシェアを持つインドで、強みを持つ車を相互に供給しあって、それぞれの店舗で販売すること。このときは、こうしたことが提携の柱でした。

またスズキが2020年ごろにインドで投入することを目指している電気自動車も、トヨタから技術的な支援を受けていて、徐々に関係を深めていたんです。

新しい技術の開発にはお金がたくさんかかりそうですね。

山田記者

そうなんです。とてもお金がかかります。さらに、優れた人材も集めなければいけません。このため1社だけで取り組むのにはどうしても限界があります。トヨタは“仲間づくり”を進めることで、自動車メーカーだけでなく、ITなどほかの業種とも協力して、変化の荒波を乗り切ろうとしているんです。

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スズキはトヨタに比べると小さいメーカーですが、小型車の開発や生産が得意で、この分野では高いシェアを持っています。トヨタとしては、スズキと自動運転の技術を共有することで、海外のIT大手など強力なライバルに対して、存在感を高めていきたいと考えているんです。

また、スズキも自動運転などの先端技術の開発は出遅れていたので、トヨタから技術的な助けを受けることで、これから小型の自動運転車の開発などを急ぐことになりそうです。

今後の自動車業界はどうなりそうですか?

山田記者

「CASE」の時代に入って、自動車メーカーも車を作るだけではなく、車にかかわるあらゆるサービスを行う企業へと変わらなければなりません。今後、自動車メーカーどうしの提携にとどまらず、ほかの業種との関係強化の動きもさらに活発になると思います。