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輸出規制、日本に“逆流”しない?

政府は、7月1日、日本から韓国に輸出される半導体や軍需物資の製造などに使われる3品目について輸出を規制し、韓国を優遇措置の対象国から外す方針を明らかにしました。

しかし、韓国メーカーの半導体などの生産に支障が出た場合、日本企業も影響を受けることはないのでしょうか。

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韓国に対する輸出の規制で、直接関係するメーカーに影響がありそうですね。

今回の3品目は日本企業が世界の生産量の7割から9割を占めていると推計されていて、生産するメーカーは、今後の輸出手続きなどにどのような影響が出るのか確認している。

このうち、半導体の製造に欠かせない感光液「レジスト」を生産する「東京応化工業」は「韓国の取引先から心配する声も寄せられており、手続きにのっとって今後も輸出を続けたい。韓国にも生産拠点があるので影響は限られると思うが、注視したい」としている。

また、「高純度のフッ化水素」の生産大手である大阪の「ステラケミファ」は、韓国向けに輸出もしていて、「対応を確認中だ」としている。

3品目を生産するメーカー以外に、日本経済への影響が及ぶことはないのでしょうか。

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それが心配なところね。日本から韓国に輸出される半導体などの原材料への規制によって、今後、韓国メーカーの生産に支障が出た場合、日本企業も影響を受けることが予想される。今回、規制の対象になる3品目の原材料は、有機ELパネルや半導体の製造で使用されている。

このうち、有機ELパネルは、韓国のサムスン電子とLGの2社だけで、なんと世界の市場シェアの9割を超えているの。日本企業もほぼ全量を韓国から輸入しているため、仮に韓国での生産が止まることがあれば日本のテレビやスマートフォンのメーカーも生産できなくなるおそれがある。

また、半導体でも韓国企業の市場シェアは高く、スマートフォンなどに搭載されるフラッシュメモリーでは、サムスン電子とSKハイニックスの2社で半分近くを占めているから、影響は大きいと言えそうね。

日本のテレビやスマホなどのメーカーは、どうすればいいんでしょう。

関係する日本企業は影響の確認にあたっている。このうち、韓国製の有機ELパネルをテレビに使っている国内のある電機メーカーは、「事実関係を精査しており、影響範囲を含めて確認中だ」としている。

財務省の統計によると、去年、韓国から日本に輸入された半導体などの電子部品は、2467億円余り。このため規制の影響の広がり次第では、国内メーカーも部品の調達先を変えるなど、何らかの対応が必要になる可能性をはらんでいる。

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世耕経済産業大臣は2日の記者会見で、対象の品目の生産や輸出を行う日本の企業への影響についても、注視していく考えを示しているの。

この件で韓国側はWTO=世界貿易機関への提訴も辞さない構えを見せていて、今後の影響は注意深く見守っていく必要がありそうね。