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パナソニックとトヨタ なぜ“住宅統合”

パナソニックとトヨタ自動車が住宅事業を統合することになりました。そして、住宅や家電、自動車などをネットでつなぐ最先端のまち「スマートシティー」の開発を、共同で進めていくということなのですが…。

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パナソニックもトヨタも、ともに日本を代表する、ものづくり企業だけど、住宅も作っていたんですね。

そうなの。パナソニックは、「住まいは人が暮らしていくうえで最も大切なもの」という創業者の松下幸之助の強い使命感から、1963年に住宅事業を手がける会社を立ち上げた。現在は、子会社の「パナソニック ホームズ」が戸建て住宅を中心に手がけている。

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一方のトヨタは、1975年に住宅事業に参入。「日本の住まいをよくしたい」というトヨタ自動車の創業者、豊田喜一郎の思いから事業を立ち上げた。現在は、子会社の「トヨタホーム」が戸建て住宅を中心に事業を展開。さらに「ミサワホーム」もその傘下に入っている。

創業者の思いを受け継いだ両社が今回、新会社を設立して住宅事業を統合することになったの。

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両社が出資して「プライム ライフ テクノロジーズ」という新しい会社を来年1月に設立。その傘下に、トヨタホームなどの子会社がぶら下がる形になる。

発表によると、統合によって戸建て住宅の供給戸数が約1万7000戸と、国内住宅業界でトップクラスの規模になるんだって。新会社には、三井物産も出資を検討しているそうよ。三井物産は、不動産開発を手がけ、多くの会社と付き合いもあって海外進出にも強みがある。

新しい会社は、何を目指していくのですか。

新会社では、住宅事業、建設事業、街づくり事業を展開していくそう。国内の住宅事業は、今後、人口減少によってさらに住宅需要が大きく落ち込んで競争が激しくなると見られている。だから、統合によって部材の調達などを共同で行って競争力を高める狙いがあるの。

そして、パナソニックのIoTや家電の技術と、通信機能などを備えたトヨタのつながる車、いわゆるコネクテッドカーの技術を持ち寄って、「スマートシティー」の街づくりにつなげていくのが目標になるんだって。「スマートシティー」は住宅や家電、自動車などさまざまな機器がネットでつながった最先端の街のことね。

住宅メーカーは他にもたくさんあるけど、なぜ、パナソニックとトヨタという組み合わせなのですか。

両社とも、もの作り企業なんだけど、「住宅」という本業とは全く違う事業を持っている。そうした中で、トヨタは新しいモビリティー社会の実現を目指し、パナソニックは暮らしをより安心で快適なものに変えていくことを目指す中で、「街づくり」は両社にとってともに重要な要素だったということなんだって。

両社は、これまでにEV(電気自動車)向けの電池事業などで関係を深めてきている。だから今回の住宅でも極めてスムーズに話をすることができたという。日本を代表する2つの会社が、どんな未来の街を作っていくのか、楽しみだよね。